令和元年最後のJRA・GI
ホープフルSが28日、中山競馬場で13頭によって争われ、福永騎乗の1番人気
コントレイルが上がり3ハロン最速タイの末脚で抜け出し、デビュー3連勝を飾った。この後は
皐月賞(4月19日、中山、GI、芝2000メートル)に直行する。1馬身半差の2着が3番人気
ヴェルトライゼンデ、2番人気
ワーケアが3着だった。
ミッション・コンプリートだ。東スポ杯2歳Sを2歳レコードで制した
コントレイルの強さは、舞台が中山に替わっても揺らがなかった。2000メートルの距離も、荒れた芝も問題なし。好位追走から直線で素早く抜け出し、デビュー3戦3勝でGIをゲットだ。
「前走が時計が出やすい状況でのレコード勝ち。今回は時計がかかる状況でコーナーも4つのコース形態と、求められる要素が違う中で勝てたのがすごい。この先、彼がどれだけ活躍できるか占う重要な一戦だったけど、上手な競馬をしてくれた」
新馬戦1着以来の騎乗で任務を遂行した福永騎手は、ホッとした様子だ。東スポ杯を圧勝し、陣営は来年の
日本ダービーを強く意識した。ただ、あり余るスピードに燃えやすい性格。育て方を間違えれば、短距離向きになりかねない。それだけに今回、4番手で折り合い、ほぼ完璧な立ち回りができたことは大きかった。2着馬との1馬身1/2差は前走に比べれば地味かもしれないが、鞭を入れたのは、先頭に立ってフラフラしたのを修正した1発だけ。最後は流して「内容も結果も言うことなかった」と、鞍上も完勝をアピールだ。
リスグラシューの
有馬記念に次ぐ2週連続GI勝利となった矢作調教師も満面の笑み。「生まれて1週間でウチに来ることが決まった馬だけど、ディープにそっくりだと思った」と日本最強馬の父
ディープインパクトの面影が漂う当歳時から、並々ならぬ才能を感じていた。育成時期に球節を痛め、半年ほど乗れなかったときもあったが無傷3連勝でのGI奪取に「ポテンシャルはものすごい」と驚くばかりだ。
「返し馬の感じが新馬戦のときと違って弾んでいたからうれしかった。こういうものは後天的につくものではないから。楽しみなパートナーとクラシックへ向かっていけるのはワクワクする」
昨年、
ワグネリアンでダービージョッキーの勲章を手にした福永騎手もほれ込む。
皐月賞への直行策も、陣営の期待の表われだ。JRAラストGIを制した逸材は、中山に広がった青空のような無限の可能性を秘めている。 (板津雄志)
★注目のタイトル争い
今年のJRA賞最優秀2歳牡馬部門は激戦必至だ。
コントレイルのライバルとなるのが、GIII
サウジアラビアRCを2歳コースレコードで勝ち、GI
朝日杯FSも制した
サリオス(美・堀、牡)。
コントレイルと同じくデビューから3戦3勝で、重賞はGIとGIIIが各1勝、GIIIをレコード勝ちしている点も同じだ。近年、朝日杯を勝った馬で最優秀2歳牡馬を逃した馬はいないが、結果はどうなるか。発表は来年1月7日の予定だ。
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