第64回産経賞オールカマー(23日、中山11R、GII、3歳上オープン国際(指)、別定、芝・外2200メートル、1着本賞金6700万円、1着馬に天皇賞・秋の優先出走権=出走12頭)クリストフ・ルメール騎乗の1番人気レイデオロが、先に抜け出したアルアインをゴール前で捕らえて1年ぶりのV。昨年のダービー馬が復活した。タイム2分11秒2(良)は、2011年にアーネストリーが記録したレースレコードに並ぶもの。この後は、東京のGI、天皇賞・秋(10月28日、芝2000メートル)かジャパンC(11月25日、芝2400メートル)に向かう見込み。
やっぱり強かった-。昨年のダービー馬レイデオロが、ゴール前で同世代の皐月賞馬アルアインを差し切り。前週のセントライト記念で弟レイエンダは2着に敗れたが、兄は秋初戦で復活を遂げた。
「すごくいい気持ちでした。調教の後、私は言いました。『まだ100%じゃない』と。でも、レイデオロはすごくいい馬。自信がありました」
スローペースで折り合いを欠いて4着に敗れた3月のドバイシーマクラシックから帰国初戦。完璧なエスコートで勝利に導いたルメール騎手がホッとした表情を見せた。
スタートは決まったが中団に待機。前半の緩いペースを馬群で我慢させて3コーナー過ぎから進出を開始すると、2番手から抜け出したアルアインに襲いかかる。最後は内から馬体を並べての叩き合いで競り落とした。
「前の馬も止まらなかったし、レイデオロの反応も少し遅かった。でも最後の100メートルは能力を出しました」と、ルメールは休み明けで眠っていた能力を引き出せたことに笑みを浮かべた。
「さすが、兄はダービー馬だね」。阪神競馬場で見届けた藤沢和調教師も昨年の神戸新聞杯以来、1年ぶりの勝利を喜んだ。「調教では気持ちが乗っていない感じだったから、まだ良くなるよ」と、次走でもうワンランクアップした走りを期待する。その注目の次走は天皇賞・秋か、ジャパンCか。「メインターゲットはGIです。次はもう少し反応も速くなると思うし、トップコンディションなら大きなチャンスですね」。3週で重賞4勝のメインレースハンター・ルメールが自信を深める。復活を果たした秋は、もう無敵かもしれない。 (柴田章利)
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