“ノー残暑”でデキはV字回復。
マルターズアポジーが’17夏のマイル王に輝く。
7番人気の低評価をあざ笑うかのように、見事に逃げ切った
関屋記念。「
有馬記念(2500メートル)から短くした
小倉大賞典(1800メートル)が強かった。だから
七夕賞(2000メートル)からマイルへ距離を縮めるのはいいと思ったんだ」と、堀井調教師もしてやったりの逃走劇だった。
しかし、会心Vの代償は小さくなく、今まで以上に疲れが出たという。ところが、そこに追い風が吹く。例年のような猛暑なら、短期決戦のシリーズにおいて致命的とも思えるダメージだったのが、気温が上がらない日々が続きどんどん状態を取り戻していった。
「確かに反動はあったけど、あのころから気候が涼しくなったでしょ。その分、いい感じに回復してくれた」と米良助手が振り返るように、520キロ超の巨漢には“冷夏”が最高の贈り物になった。
6日のWコースは6F80秒9の好タイムで快走。前走以上とも思える動きを見せて、「スタッフがうまく調整してくれたんでしょうね。乗った感じはいつものいいときのこの馬ですよ」と、主戦の武士沢騎手も太鼓判を押した。
ならば、ここも力を信じて逃げるのみ。枠も申し分ない。トリッキーとされる中山1マイルで、各陣営が所望する内めの(5)番枠をあっさりゲットできたのだ。内めからコースロスなく回れるうえに、やや目障りな存在だった
ウインフルブルーム(シリーズ首位の
ウインガニオンと同馬主)の内側にも入れた。難なく主導権を奪える態勢といっていいだろう。
2勝の実績もある中山で勝つべくして勝つ。孤高の逃亡者がトップハンデ58キロもスピード&パワーで克服し、サマーマイル単独王者の座を射止める。
“究極の3連単”はマルターズを1着に固定。同様に文句なしの好枠(6)番を引き当てた◯
グランシルクを2、3着に据えた12点で勝負。(夕刊フジ)
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