佐藤洋一郎
金子京介
スガダイ
くりーく
世紀末覇者 券王
マカロニスタンダーズ
第23回東京スポーツ杯2歳ステークス(17日、東京11R、GIII、2歳オープン国際(指)、馬齢、芝1800メートル、1着本賞金3300万円 =出走16頭)勝浦正樹騎乗で8番人気のニシノデイジーが4頭横並びの接戦をハナ差制してV。重賞連勝を決めた。タイム1分46秒6(良)。この後はホープフルS(12月28日、中山、GI、芝2000メートル)に駒を進める。2着は7番人気のアガラス。人気のルヴォルグは出遅れが響いて9着に終わった。 4頭が並んだゴール前。最後にグイッと鼻面を伸ばしたのは最内のニシノデイジーだった。札幌2歳Sを勝ったメンバー唯一の重賞勝ち馬。それでも8番人気にすぎなかった伏兵の激走に、スタンドも騒然だ。 「本当によく頑張ってくれました。さすがにこれで、みんな注目してくれるんじゃないですか」 勝っても勝っても人気にならない愛馬を、勝浦騎手は信じていた。内めの(2)番枠から、スタート後は中団の内々を追走。道中はハミをかんで力んでいたが、馬群に包まれたことが幸いした。直線でもなかなか前があかずに脚がたまる形。進路ができると一気に先頭集団に並びかけ、ライバルたちに競り勝った。 「ちょっとむきになったけど、それほどでもないし、道中もいい感じでした。追って甘い面があるけど、なんとか勝ってくれましたね」 鞍上はパートナーの闘争心を褒めたたえた。 札幌2歳Sを勝っているとはいえ、その舞台は力の要る洋芝の小回り。左回りも未経験だった。そうした戦前の不安をすべて拭い去る走りに、高木調教師も驚きを隠せない。「よく走ってくれました。東京でどうか、速い時計もどうかと思ったけど、1分46秒台ですから」と、表情は緩みっぱなしだ。 この後は在厩のままホープフルSを目指す。しぶとい末脚はむしろ中山向きで、勝てばGIを含む重賞3勝。新時代の最優秀2歳牡馬誕生が現実味を帯びてくる。「距離は延びても大丈夫」と次走にも自信を見せる勝浦騎手。もう伏兵扱いは許さない。ニシノデイジーが、暮れの大一番に堂々と駒を進める。(柴田章利)ニシノデイジー 父ハービンジャー、母ニシノヒナギク、母の父アグネスタキオン。鹿毛の牡2歳。美浦・高木登厩舎所属。北海道浦河町・谷川牧場の生産馬。馬主は西山茂行氏。戦績4戦3勝。獲得賞金7285万7000円。重賞は2018年GIII札幌2歳Sに次いで2勝目。東京スポーツ杯2歳Sは高木登調教師、勝浦正樹騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+すてきなもの」。