第47回
京都大賞典(8日、京都11R、GII、3歳上オープン国際(指)、別定、芝・外2400メートル、1着本賞金6000万円 =出走13頭)天皇賞・秋(28日、東京、GI、芝2000メートル)の前哨戦は
池添謙一騎乗、5番人気の
メイショウカンパクが直線で馬群の外から一気に差し切り、重賞を初制覇した。タイム2分23秒4(良)。池添騎手はJRA通算800勝を達成した。2着はクビ差で7番人気の
オウケンブルースリ。1番人気の
フミノイマージンは4着だった。
叩き上げ馬
メイショウカンパクが重賞10度目の挑戦で念願の初制覇。
池添謙一騎手の笑顔が弾けた。
「いい脚を使ってくれましたね。『道中で動くと集中力が続かない』と聞いていたので、しまいを生かそうと思っていました。いい内容でした」
道中は後方2番手。1番人気
フミノイマージンをマークする形で進み、じっくり脚をためた。大外を回って直線に向くと、一気にギアチェンジ。一完歩ごとにグングン加速した。404メートルと長い直線で持ち前の末脚を存分に発揮し、最後は粘る
オウケンブルースリをクビ差で差し切った。
初コンビを組んだ池添騎手の意地が、念願の重賞奪取を後押しした。前夜、京都競馬場の調整ルーム。テレビで、
凱旋門賞に挑んだ
オルフェーヴルが惜敗する姿を目にした。
デビュー時からその怪物馬の主戦を務め、昨年は史上7頭目の3冠に導いた。だが、“愛馬”のフランス遠征を前に無念の乗り替わり。悔しさ、ふがいなさ…。さまざまな思いを胸の奥に押し込めてこの日、昨年3冠目を達成した淀のターフで手綱を取った。3日間の開催中、6日の
デイリー杯2歳S(GII)に続き重賞2勝。自身はJRA通算800勝目だ。
メイショウカンパクは天皇賞・秋などGIシリーズを意識できる勝ちっぷり。「きょうのようなレースができれば、上でもやれるんじゃないですかね」。遅咲きの馬が今秋の台風の目に名乗りをあげた。 (川端亮平)