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蒼馬久一郎
葵S(芝1200メートル)が25日、京都競馬場で16頭によって争われ、1番人気で藤岡佑騎乗のディアンドルが好位から抜け出して5連勝で重賞初制覇。管理する奥村豊調教師にとっても、開業5年目でうれしい重賞初Vとなった。2着は13番人気のアスターペガサス。3着には2番人気のアウィルアウェイが入った。 類いまれなスピードを、初の重賞舞台で存分に発揮した。照りつける日差しを背に受けてディアンドルが直線を駆け抜け、破竹の5連勝で一気の戴冠。初コンビで勝利へ導いた藤岡佑騎手が白い歯をのぞかせた。 「手応えも良く、馬が冷静でしたね。なんの不利もなく、スムーズに競馬ができました。残り200メートルで並んでこられましたが、馬が『抜かせないよ』という強い気持ちを見せてくれました」 スタート直後から絶好の4番手に収まり、リズムよく運んで直線へ。すんなりと外に出すと、鋭く伸びて先頭に躍り出た。猛追するアスターペガサスをアタマ差振り切ってゴール。「(前回乗った)ルメール騎手から『馬を気にするところがある』と聞いていたんですが、ここ2走の控える競馬がいい方に出ました」と会心の表情だ。 新馬戦こそ2着だったが、全て1200メートル戦でのV5。賞金的には出走可能だった桜花賞を見送って、この一戦に備えてきた。奥村豊調教師は「1200メートルで結果が出ていますし、そのリズムを崩さず、春はここを目標にやってきました」と相好を崩す。 指揮官にとっては開業5年目、8度目の挑戦での重賞初制覇。「そこは特に意識していませんでした。いかにディアンドルの体調を整えるかを考えていた」と冷静に話しながらも「これから実感がわいてくるのかもしれません」とはにかんだ。 今後は未定だが「まだまだ馬が成長してくれると思いますし、どう成長していくのか楽しみ」。最高気温33度の真夏日になった淀で、スプリント界を熱くする超新星が誕生した。 (山口大輝)★25日京都11R「葵S」の着順&払戻金はこちらディアンドル 父ルーラーシップ、母グリューネワルト、母の父スペシャルウィーク。黒鹿毛の牝3歳。栗東・奥村豊厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。戦績6戦5勝。獲得賞金9904万6000円。重賞初勝利。葵Sは奥村豊調教師、藤岡佑介騎手ともに初勝利。馬名は「ドイツの女性用民族衣装。母母名より連想」。