第26回
マイルチャンピオンシップ(22日、京都11R、GI、3歳上オープン国際、定量、芝・外1600メートル、1着本賞金1億円=出走18頭)おじさんパワーに脱帽! 天皇賞・秋で史上初の8歳馬によるGI制覇を成し遂げた
カンパニーが、直線で力強く抜け出し、引退レースを完勝。
横山典弘騎手はJRA年間100勝をGIで決めた。1分33秒2(良)。
カンパニーは来春から種牡馬となる。秋のGIは6戦目で1番人気がV。14番人気の
マイネルファルケが2着に逃げ粘り、馬単、3連単は好配当となった。
府中に続き、淀でもノリが魅せた! 人差し指を立て、馬上からジャンプして飛び降りるフライングディスマウントのパフォーマンス。単勝2.3倍と断然人気に推された
カンパニーの引退レースを会心の騎乗で勝利に導いた
横山典弘騎手が重責を果たし、素直に喜びを表現した。
「デキは今回が一番良かった。いい瞬発力があるので不利さえなきゃ…という感じで乗っていた。ラストランを素晴らしい形で締めくくれて良かった」
午後からの降雨で少し濡れた勝負服姿で、にこやかに取材に応じた。初騎乗だった08年3月の
中山記念で優勝を決めてから主戦となった。今秋の
毎日王冠&天皇賞では1番人気の
ウオッカに連勝。史上初の8歳馬でのGI制覇をアシストした。そして迎えた相棒のラストラン。人馬の信頼はさらに強固なものとなっていた。
レースは中団を追走し、直線でエヴァズリクエストと
ヒカルオオゾラの間にスペースができると、ノリは左ムチを2度振りかざしてGO
サイン。
カンパニーはギアをトップに入れ、逃げ込みを図る
マイネルファルケを外から一気に抜き去った。この勝利が自身2年ぶり9度目となるJRA年間100勝(今年5人目)。
マイルCS3勝は
河内洋師、
岡部幸雄元騎手と並ぶ最多勝だ。
管理する
音無秀孝調教師も感無量だ。「最後だし、必死に仕上げた。それに馬が応え、勝って最高の形で終えられて良かった。直線の入り口で伸びてきた時に差し切れると確信した。この後、種牡馬としても強い二世が出てくることを願っています」。3歳1月にデビューし、4歳から5年連続で重賞制覇。屋台骨として厩舎を長年支えてくれた愛馬の最後の雄姿に感謝と寂しさが交錯する。
来春から種牡馬となる
カンパニーは、26日に栗東トレセンから北海道・早来の社台スタリオンステーションに向けて出発する。惜しまれながら引退するのも幸せかもしれない。今は、長い間、本当にお疲れさまと言いたい。そして、いい二世が誕生することを心から願っている。(片岡良典)