今週から中央競馬の関東メインは東京競馬場に舞台が移る。新緑も鮮やかな開幕週の日曜メインは、
サンケイスポーツ賞フローラステークス(GII、芝2000メートル)。1、2着馬に
オークスの優先出走権が与えられる重要なトライアルだ。例年以上の混戦ムードだが、注目は
ノームコア。
皐月賞を制した戸崎騎手との新コンビで、重賞初V&
オークス切符を狙う。
重賞連対馬もオープン勝ち馬も不在で大混戦のサンケイスポーツ賞フローラS。実績で差がないなら、勝敗を決めるのは素質の高さと状態の良さしかない。その点から浮上してくるのが、
ノームコアだ。
昨夏の福島で先行策から3馬身半差の楽勝デビュー。続くアスター賞も危なげなく抜け出して無傷のV2を飾った。その後に骨折が判明したが、症状は軽度なもの。十分な充電期間を経て、前走のGIII
フラワーCには14キロ増のたくましい馬体で復帰した。結果は3着に終わったが、半年ぶりの実戦でハイレベルな性能を示した形だ。
管理する萩原調教師が「久々でもよく頑張ってくれた」と合格点を与える内容。レース後も順調そのもので、1週前には馬なりで絶好の動きを披露した。重心が低く、ストライドの伸縮も抜群。叩いての良化を疑う余地はない。
今回は戸崎騎手との初コンビ。
皐月賞を
エポカドーロで制するなど土日で4勝を挙げ、今年30勝で前週までの3位から一気に関東リーディング首位に躍り出て勢いに乗っている。また、
ノームコアの父ハービンジャーは、昨年のフローラSで産駒の
モズカッチャンと
ヤマカツグレースがワンツーフィニッシュ。血統面の後押しも十分だ。
「今回は東京へのコース替わりと1ハロンの距離延長になりますが、どんな競馬をしてくれるか」
未経験の左回りと2000メートルとあって、萩原師は慎重な口ぶりだが、
フラワーC3着以内からの臨戦は過去10年で【3・2・0・4】の好成績。データ面からも期待は膨らむ。着実に良化ムードの
ノームコア。主役不在の大混戦を制して、
オークス候補に名乗りを上げる。
★サンスポ賞フローラSの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
サンケイスポーツ賞フローラステークス 1966年の創設時からサンケイスポーツ賞として施行され、87年から現行の2000メートルとなった。春の東京開幕週に行われる
オークストライアルとして定着しており、近年は本番で
桜花賞組に対抗しうる新星誕生が注目される一戦。2010年Vの
サンテミリオンは本番でも優勝(
アパパネと1着同着)し、一昨年Vの
チェッキーノ、昨年Vの
モズカッチャンはともに本番で2着に好走した。かつて5着以内だった
オークス優先出走権は91年から3着以内、今年から2着以内と変更されている。