第64回
フジテレビ賞スプリングステークス(22日、中山11R、GII、3歳オープン国際(指)、セン馬不可、馬齢、芝・内1800メートル、1着本賞金5200万円、1~3着馬に
皐月賞の優先出走権 =出走12頭)
北村宏司騎乗の5番人気
キタサンブラックが、2番手から抜け出してデビュー3連勝で重賞初制覇を成し遂げた。タイム1分49秒1(良)。2着は1番人気の
リアルスティール、3着は
ダノンプラチナ。3着馬までが
皐月賞(4月19日、中山、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
直線の急坂でも無敗馬の勢いは止まらなかった。無敗といっても
リアルスティールでも
ミュゼスルタンでもない。歌手の北島三郎がオーナーで、2戦2勝の5番人気
キタサンブラックが、重賞ウイナーたちの追撃を振り切って、
皐月賞への最終切符を手に入れた。
「逃げた馬が早めに下がって先頭に立ってしまったし、直線ではハトが止まっていて物見した。最後は『がんばれ、がんばれ』という感じでしたね」。土曜に騎乗停止が明けた北村宏騎手が、いきなりの重賞Vを振り返る。
最内枠から好スタートを決めたが、外から
タケデンタイガーが行く気をみせるとすんなり2番手に。そこで折り合いをつけると、あとは淡々とした流れに身を委ね、直線まで脚を温存した。4コーナーでは早くも先頭に立ったが、そこからのしぶとさがこの馬の持ち味。外から
リアルスティールが猛追したが、最後まで抜かせない勝負根性で押し切った。
「リズム良く走っていたし、ペースが遅いわりに後ろの馬もゆっくりしていた。まだ緩いけど、これから楽しみですね」
ジョッキーは成長の余地を残しながらも無敗で
皐月賞に挑むブラックをたたえた。
清水久調教師も会心の勝利に満面の笑みだ。「1コーナーの入りがスムーズだったし、展開が向きました。この強いメンバーに勝ったんだから、期待を持って
皐月賞に向かえます」と、高ぶる気持ちを抑えきれない。開業当初から世話になる北島オーナーの馬で牡馬クラシック初出走も、トレーナーは意気に感じている様子だ。
表彰式では「サブちゃ~ん」の声援があちこちから飛んだ。オーナーの人気だけではない。3戦無敗の堂々たる成績で臨む
皐月賞で、再び“サブちゃん”コールを巻き起こさせる。 (柴田章利)
★父
ブラックタイド ディープインパクトの全兄で、2004年の
スプリングSの覇者。
キタサンブラックと父子制覇となった。
★22日中山11R「フジテレビ賞
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