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【皐月賞】ヴィクトワール、5連勝で戴冠

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【皐月賞】ヴィクトワール、5連勝で戴冠

 《本紙の狙い》ヴィクトワールピサを本命に推す。デビュー戦こそローズキングダムに敗れたが、その後4連勝。キャリアを積むごとに競馬を覚え、脚質にも幅が出た。特に前走の弥生賞は圧巻。内に包まれ、苦しいレースを強いられた。直線でも前が壁だったが、わずかなスペースを見つけると、瞬時に抜け出した。3歳となり、その決め手に一段と磨きがかかったようだ。前走で懸念された道悪を克服。馬場状態を問わない晴雨兼用型なのは心強い。この中間の乗り込みも順調。ひと追いごとに良化し、状態は申し分ない。エイシンアポロンが相手の筆頭。2000メートルにメドが立ったのは大きく、中山コースならば、立ち回りの巧さを生かせる。

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 5連勝で一気にGI獲りを狙う(13)ヴィクトワールピサは、馬場開場直後に元気よく坂路を1本登坂して最終調整を終えた。「追った後も順調だし、必要以上のプレッシャーを与えずに調整できた。普段はヤンチャな面も見せるが、競馬に行くとおとなしいんだ」と清山調教助手は安堵の表情。「あとは無事に輸送をクリアしてくれれば…」と清山助手。武豊騎手の落馬負傷で乗り替わる昨年の皐月賞男・岩田康騎手に全てを託す。

 GIの舞台で惜敗続きにピリオドを打ちたい(12)エイシンアポロンは、額から鼻先かけて伸びている真っ白な流星をリズム良く動かしながら坂路を1本登った。「満足のいく仕上げで、デキは申し分ない。枠はもう少し内が良かったが、外に振られずにロスなく回って来られればいいよ。ここを勝つために今までやってきたんだからね」と岡田調教師は状態に自信満々で送り出す。

 昨年の2歳牡馬チャンピオンの(5)ローズキングダムは1ハロン16秒ペースのキャンターで坂路を1本。最終調整を終え、表情もだいぶキリッとしてきた印象を受ける。「休み明けを1度使ってプラス面は多いが、マイナスになる材料はないよ。カイバもしっかり食べているので、体も前走と似たような感じで出せると思う。オレも前回(3着)で(無敗馬の)プレッシャーから解き放たれたから気楽に行ける」と橋口調教師は肩肘張らずに臨む。

 木曜に追われた(18)アリゼオは、北馬場の角馬場でダクのみの調整。適度に気合が乗り、キビキビした脚さばきだ。「歩様も変わったところはなく、元気いっぱいですね。トモにいい筋肉がついているし、いい体つきをしています。追い切りの疲れは全くなさそうですよ」と菅沼調教助手は舌も滑らか。過去10年で皐月賞を3勝しているスプリングSの勝ち馬は、順調な調整が続いている。

 最内枠が当たった(1)リルダヴァルは、坂路1本→ポリトラック単走で半マイルから59秒8-44秒2-13秒4(馬なり)で池江郎厩舎恒例の前々日追いを敢行。1度使って栗毛の馬体にも張りが出て、具合の良さは一目瞭然だ。「いい状態。落ち着いているし、コントロールも利く。1番枠だからスタートだけ気をつけて流れに乗りたい。うまく馬群をさばければ結果は付いてくると思う」と福永騎手は上位進出を目論む。

 きさらぎ賞2着からぶっつけ本番となる(14)レーヴドリアンは、CW単走で上がり3ハロンから44秒9-13秒3(馬なり)。水曜の追い切りでは併せ馬で遅れたが、動き自体はだいぶ素軽くなってきた。「後ろから行く馬やから、内に入るよりは良かった。きょう(金曜)の感じなら体もちょうどいい。今回はゲートもポンと出るかもしれんな。この後はダービーに出したいんや」と松田博調教師。そのためにも上位入線(4着以内出走権)をクリアしたい。

 重賞未勝利ながら素質は実績上位馬と遜色ない(16)ヒルノダムールは、1ハロン17秒前後のペースで坂路1本。この中間もハードな調教をこなし、陣営のトーンは最高潮に達しつつある。「何も言うことはないぐらいに絶好調。強い調教をやってもヘコたれないで頑張ってくれた。まだ、これから良くなってくる馬だけど、今回だって楽しみは十分ある」と平岩厩務員はデキの良さと潜在能力の高さに期待を寄せる。

 3連勝で共同通信杯を制した(2)ハンソデバンドは、坂路で軽めに2本。時計は遅いが、シャープな脚さばきで好調をアピールした。「落ち着いているし、特に問題はありませんね」と尾形調教師。「枠もいいところだと思います」と満足そうにうなずき、1枠2番も歓迎する。「前走後に楽をさせたことで全体に大きくなり、首まわりもしっかりしてきましたね」とベテラントレーナーは成長ぶりを実感して笑みを浮かべた。

 皐月賞ダイワメジャーを叔父に持つ(15)ダイワファルコンは、北馬場の角馬場で時間をかけてダクとキャンターを乗られた。上原調教師は「落ち着きがあっていい感じですね。ドシッとしてきて、成長がうかがえます」と愛馬の充実ぶりに目を細める。「以前と違って、追った後もカイバもペロッと食べるし、前走後も余裕を持って調整ができました」。1勝馬、トライアル3着は10番人気で制した叔父と同じ。直前の上昇度からも注目される1頭だ。

 鼻肺炎の影響で京成杯Vから直行となった(11)エイシンフラッシュは、角馬場で入念に体をほぐしてから1ハロン15秒前後のキャンターで坂路1本。2週続けて負荷のかかる追い切りを消化して、きっちりと出走態勢を整えてきた。「中間、順調さを欠いたけど、ここに来てだいぶ調子が良くなってきた。今、やれることは全てやった。相手は強いが、付け入るスキがない訳じゃない」と藤原英調教師は前走と同じ舞台で頂点を目指す。

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