第155回天皇賞・春(30日、京都11R、GI、4歳上オープン国際(指)、定量、芝・外3200メートル、1着本賞金1億5000万円=出走17頭)サブちゃん歓喜の連覇-。現役最強馬決定戦となった天皇賞・春(GI、芝3200メートル)は、
武豊(48)騎乗で1番人気の
キタサンブラック(栗東・
清水久詞厩舎、牡5歳)が優勝。GI5勝目となり、史上4頭目の天皇賞・春連覇を成し遂げた。タイム3分12秒5(良)は、2006年に
ディープインパクトがマークしたレコードを0秒9更新。北島三郎オーナー(80)は、今秋の
凱旋門賞(10月1日、仏シャンティイ、GI、芝2400メートル)挑戦に前向きな姿勢をみせた。
凱旋門賞挑戦へ、大きく前進だ。
キタサンブラックが1番人気に応え、天皇賞・春を連覇。北島三郎オーナーは感極まった表情を浮かべた。
「武さんが頑張ってくれて、調教師が立派に馬をつくってくれて、大勢の皆さんに応援してもらって、2年連続ということで、なんか感動です。涙が出ました」
逃げた馬が大きく後続を引き離すなか、2番手を進む。4コーナーで先頭を奪うと、粘り強く駆け抜けて追撃を封じ込んだ。勝ちタイムの3分12秒5は、2006年に
ディープインパクトがマークした3分13秒4を更新する日本レコード。「“レコード”は私の仕事なんですけどね(笑)。神様、ご先祖様が、宝物を与えてくれたのかな、という気がします」と孝行息子をたたえた。
GIは5勝目。
サトノダイヤモンドに
有馬記念のリベンジを果たし、現役最強を証明した。「パドックで見て、去年よりおとなしく見えたんです。大人になったのかな」。進化を続ける愛馬を見て、オーナーの頭に浮かんだのは父と母だった。
「うちのおやじもお袋も旅立って(この世に)いないんですが、歌手になってから、他人みたいに態度が変わったんです。いろんな人のお世話になって頑張っていくんだ、ということだったんでしょう。
キタサンブラックはおれの子供なんだなと思いながら、『もうおれだけの馬じゃないんだ、皆さんに支えてもらっているんだな』と、親のことを思い出しました」
北島オーナーは、両親の反対を振り切って北海道から上京。下積み生活をへて歌手として成功した後、両親を呼び寄せようと自宅に特注の部屋を用意した。しかし、完成前に母は亡くなり、父は北海道を離れなかったという。北海道の両親が東京の息子を思ったように、北島オーナーの心はいま、フランスに飛んだ。
「かわいい息子を遠い空のかなたに送るのは、かわいそう。でも、たくさんの皆さんのご支援があって、そして名ジョッキーが乗ってくれるなら、フランスで走ってみるのもいいかなという気持ちもあります。夏までの状態を見て、いい状態なら行ってみようかな、と。きょうからフランス語を勉強しようと思います(笑)」
武豊騎手も「今年の2戦が非常に強さを感じます。当初の予定通り、夏が終わってから秋を考えるのかなと思います」と飛躍を見据えた。
当面の目標は次走の
宝塚記念(6月25日)で改めて現役最強を証明すること。その後には、
凱旋門賞制覇への夢が大きく広がっている。 (千葉智春)
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★宝塚Vで褒賞金2億円
今年から同一年に
大阪杯、天皇賞・春、
宝塚記念を勝てばJRAから褒賞金2億円が与えられる。
宝塚記念を勝てば、1着賞金1億5000万円に褒賞金2億円が加算される。
★サブロー馬券
(3)番の
キタサンブラックが連覇を成し遂げ、2着は(6)番の
シュヴァルグラン。馬単、馬連は(3)(6)のサブロー馬券となり、馬単1430円、馬連1040円の配当となった。2着の馬主は日米の球界で活躍した佐々木主浩氏。著名人同士の決着となった。