横山和生(30)=美・フリー=騎乗で1番人気の
ジャスティンカフェが後方待機から豪快に差し切り、7度目の挑戦で待望の重賞初制覇。横山兄弟による同日JRA重賞勝ちは初めてで、1984年のグレード制導入後では
武豊、幸四郎兄弟に次ぐ2組目の記録となった。今後はひと息入れる予定で、秋にはさらなる大舞台での活躍が期待される。
◇
北で東で横山ブラザーズが勝負強さを見せつけた。弟・武史の
函館スプリントS快勝の余韻を残したまま、梅雨空の東京では兄・和生がヒーローだ。初コンビを組んだ
ジャスティンカフェを重賞初制覇に導き、1997年3月2日の
武豊(弥生賞=
ランニングゲイル)&幸四郎(
マイラーズC=
オースミタイクーン)以来、グレード制導入後2例目となる兄弟同日重賞制覇の快挙を達成だ。
「競馬(で乗るの)は初めてでしたがずっと競馬は見ていましたし、追い切りにも乗せてもらって何も不安はなかった。
ジャスティンカフェの走りやすいペースで結果的にあの位置取りになったけど、しっかり差し切って力のあるところを見せてくれた」
鞍上が笑顔で振り返った通り、この中間は栗東トレセンで同馬のみならず併せ馬の相手にもまたがり、そのキャラクターを完全把握。冷静沈着なエスコートでメンバー最速となる上がり3ハロン34秒3の末脚を爆発させ、最高の結果を導き出した。
「調教で危険なシチュエーションも見てもらった。(以前に騎乗していた父の横山)典さんからも、やってはいけないことなどをアドバイスされていたみたいです」。安田翔調教師も待望のタイトルをもたらした鞍上とのコミュニケーションを勝因に挙げつつ、「前進気勢が強くて、これまで調教でもすぐトップギアに入っていたのが、今週の追い切りではギアを残したまま走れていたので」と精神的な成長にも目を細めた。
「きょうはレース後、今までより止まるのが早かった。それだけ走り切ったのでしょうから」。指揮官は夏場を充電に充てることを示唆したが、洗練さを身に着けた切れ者の前途は明るい。(内海裕介)
■
ジャスティンカフェ 父
エピファネイア、母カジノブギ、母の父ワークフォース。鹿毛の牡5歳。栗東・
安田翔伍厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は三木正浩氏。戦績15戦5勝。獲得賞金1億6376万6000円。重賞は初勝利。
エプソムCは
安田翔伍調教師、
横山和生騎手ともに初勝利。馬名は「馬主愛称+カフェ」。