サマースプリントシリーズ初戦の
函館スプリントSが13日、札幌競馬場で16頭によって争われ、藤岡佑騎乗で5番人気の
ビアンフェが逃げ切り、2019年
函館2歳S、昨年の葵Sに続く重賞3勝目を挙げた。今後は放牧に出され、
スプリンターズS(10月3日、中山、GI、芝1200メートル)を最大目標にする。2着は1番人気の
カレンモエ、3着は4番人気の
ミッキーブリランテが入った。
北の大地で鮮やかな復活劇だ。快足を飛ばした
ビアンフェが、粘りに粘って逃走V。昨年5月の葵S以来となる勝利で、重賞3勝目を挙げた。
「理想的な逃げができました。速いペースで行って粘りが利くのがこの馬の良さ。何とか粘ってほしいと思いました」
デビューから手綱を取る藤岡佑騎手の笑顔がはじけた。積極的にハナを奪い、前半3ハロンは32秒8のハイペース。それでも、最後までしぶとい走りで後続の追い上げを振り切った。ゲート入りを嫌って最下位16着に敗れた昨秋の
スプリンターズS後に去勢し、精神面が安定。レース前は、中竹調教師がゲート裏で
ビアンフェに話しかけてリラックスさせるなど、陣営の工夫が実を結んだ。
「スタートが全てですね。ゲートの中でリラックスしていたし、スタートも決まった。いい筋肉もついています」とトレーナーは胸を張った。
今後は栗東トレセンに戻って放牧へ。秋は
スプリンターズSを最大目標に、
産経賞セントウルS(9月12日、中京、GII、芝1200メートル)あたりでの始動を視野に入れる。
「2歳のときから素晴らしいスピードを見せていましたが、気持ちと体がかみ合わないところがありました。やっといい形になってきましたね。さらに大きな舞台で頑張ってくれると思います」と主戦は期待を込める。
スピード自慢の4歳馬。大きな1勝を弾みに、短距離界の頂点を目指す。(長田良三)
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ビアンフェ 父
キズナ、母ルシュクル、母の父
サクラバクシンオー。鹿毛のセン4歳。栗東・
中竹和也厩舎所属。北海道新冠町・(株)ノースヒルズの生産馬。馬主は前田幸貴氏。戦績11戦4勝。獲得賞金1億4857万7000円。重賞は2019年GIII
函館2歳S、20年重賞葵Sに次いで3勝目。
函館スプリントSは
中竹和也調教師が初勝利。
藤岡佑介騎手は2010年
ワンカラットに次いで2勝目。馬名は「上出来、かっこいい(仏語)」。
★13日札幌11R「
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