第54回
札幌記念(19日、札幌11R、GII、3歳上オープン国際(特指)、定量、芝2000メートル、1着本賞金7000万円 =出走16頭)
福永祐一騎乗で2番人気のサングレーザーが、中団追走から直線で馬群を割って伸びて
マカヒキをハナ差で制して重賞3勝目を挙げた。タイム2分1秒1(稍重)。3着は
モズカッチャン。次走は未定も、秋は天皇賞(10月28日、東京、GI、芝2000メートル)が視野に入っている。
果敢なチャレンジで満点の答えを出した。マイルから2000メートルへ舞台を替えたサングレーザーが、直線でわずかな隙間を突いて馬群を一刀両断。持ち味の豪脚でダービー馬
マカヒキをハナ差退け、未来が大きく開ける貴重な1勝を挙げた。
「勝ったかなとは思ったけど、頭の上げ下げだったから分からなかった。直線は1頭分のスペースに馬がひるまず突っ込んで前に出てくれた。この距離で強い相手に勝ち切れたし、今後の選択肢が広がった」
確信は持てなかったが、福永騎手は浅見調教師らに迎えられると、小さく拳を握り、喜びを爆発させた。
「馬体が成長してフォームが変わったことで、折り合い面も良くなったし、2000メートルでももつかなと思った」と主戦が進言し、挑戦に至った。若い頃はハミに頼る走り方だったが、バランスのいい走法になり、中距離でもリズムのいい追走が可能に。「手応えがずっと良くどこをさばくか…」。直線はスペースができるまで冷静に待つことができた。
馬主の(株)G1レーシング代表の吉田正志氏は「際どいところだったけど、馬に力があったから勝てた」と感慨深げ。秋については、未定ながら「視野が広がりましたね。もちろん天皇賞・秋も選択肢に入ります。ずいぶん力を付けましたが、100%じゃない。まだ良くなる可能性がある。GIを目指していきたい」と目標を掲げた。
「きょうは(他馬を)威嚇するくらい元気が良くやる気に満ちていた」と福永騎手が笑みをこぼす。曇天の札幌で“華麗なる転身”に成功したサングレーザーが、マイル&中距離界の
チャンピオンへ-。秋には最大のミッションが待っている。(板津雄志)
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サングレーザー 父
ディープインパクト、母マンティスハント、母の父デピュティミニスター。青鹿毛の牡4歳。栗東・
浅見秀一厩舎所属。北海道安平町・追分ファームの生産馬。馬主は(株)G1レーシング。戦績15戦7勝。獲得賞金3億1299万9000円。重賞は2017年GIIスワンS、18年GII
マイラーズCに次いで3勝目。
札幌記念は
浅見秀一調教師が初勝利、
福永祐一騎手は11年
トーセンジョーダンに次いで2勝目。馬名は「太陽の近くをかすめるように通る彗星」。