第24回
根岸S(31日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際マル指、別定、ダ1400メートル、1着本賞金3800万円=出走16頭) 今年の中央GI第1弾
フェブラリーS(2月21日、東京、ダ1600メートル)の前哨戦は、11番人気の伏兵
グロリアスノアが直線で力強く抜け出して快勝。1分23秒7(良)。デビュー11年目の
小林慎一郎騎手(28)と人馬で重賞初制覇を飾ったコンビは、本番でさらに大きなタイトルを目指す。断然人気の
サマーウインドは1馬身1/4差の2着に敗れ、ダート初黒星を喫した。
コバシン、やった! デビュー11年目の
小林慎一郎騎手が
グロリアスノアを完璧に操り、人馬揃って重賞初制覇だ。
上位人気馬が引っ張る流れにも小林慎は慌てることなく、馬の力を信じて中団で折り合う。直線で前が開くと迷わず
ゴーサイン。ノアも瞬時に反応して末脚を一気に炸裂させる。残り100メートルで抜け出すと、その先に感激の瞬間が待っていた。
「馬の能力は高いと思っていました。久々だけが心配でしたが、最後までしっかり伸びてくれましたね。抜け出してからは必死でした」
小林慎は00年3月に関西の中尾謙厩舎からデビュー。04年3月に厩舎の解散に伴いフリーに転向したが、乗り鞍は減少。05年9月に矢作厩舎所属となったが乗り数は増えない。「3~4年前に乗り役を辞めようかと思った時期もありました」と苦悩もあった。それでも自分で選んだ道を歩み続けノアと出会った。「こういう機会を作っていただいた馬主さんや先生に感謝したい」。ジョッキーでいる喜びを改めて噛みしめた。
馬も筋肉痛で思い通りの調整ができなかったが、小林慎が調教につきっきりで騎乗。担当の池田厩務員もプールを併用するなどスタッフ一丸となって手に入れたタイトルだ。「あまり丈夫な馬ではないので、何とかケアして中2週でGIに行きたい」。
矢作芳人調教師は
フェブラリーS参戦を明言。ノアは東京で新馬戦を勝ち、東京ダート【3・1・0・0】。過去10年で
根岸S優勝馬からは2頭(01年
ノボトゥルー、05年
メイショウボーラー)が本番もV。大舞台の鞍上は、もちろん小林慎だ。
「ここで結果を出せて本当に良かった。
フェブラリーSはまた違った気持ちで挑戦します」。小林慎&
グロリアスノアがさらに大きな夢を追い続ける。(高尾幸司)