第20回
NHKマイルカップ(10日、東京11R、GI、3歳オープン国際(指)、セン馬不可、定量、芝1600メートル、1着本賞金9200万円=出走18頭)3番人気の
クラリティスカイが好位から力強く抜け出し、3歳マイル王に輝いた。2001年に勝った父
クロフネに続き、史上初の親子制覇。今後は
安田記念(6月7日、東京、GI、芝1600メートル)を視野に入れる。騎乗した
横山典弘騎手は前週の天皇賞・春に続くGI勝利だ。タイム1分33秒5(良)。2着は4番人気
アルビアーノ、3着は2番人気
ミュゼスルタン。
五月晴れの府中で鹿毛の馬体が躍動した。父
クロフネをほうふつさせるパワフルな走りで、
クラリティスカイが戴冠。天皇賞・春(
ゴールドシップ)からのGI連勝を飾った横山典騎手は、笑顔で相棒をねぎらった。
「弥生賞(6着)、
皐月賞(5着)のときは状態面でピンとこなかったけど、きょうは返し馬で『これなら真っ向勝負しても大丈夫』と思った。強気に乗ったぶん、掛かったけど、よく辛抱してくれた」
発馬を決め、5番手のインを確保。ペースが落ち着いた道中は力んだが、直線に向いて進路があくと、じわじわと加速。早めに抜け出していた牝馬
アルビアーノを残り100メートルで捕らえ、1馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。
血が騒いだ。前走の
皐月賞後、当初は
日本ダービー(31日、東京、GI、芝2400メートル)に向かう予定だったが、鞍上を含めた話し合いでマイル路線に舵を切った。これまで
皐月賞から臨んで勝った馬はいなかったが、陣営に勝算はあった。同じ舞台で昨年10月に行われた新設重賞・いちょうSをコースレコードでV。マイルの適性に加え、父
クロフネ譲りのタフさを感じていたからだ。
友道調教師は「(調教助手時代に)
クロフネに乗って感じた力強さや、バテないところが似ている」という自らの記憶を信じ、中2週のローテーションでも調教を緩めなかった。クラリティもそれに応え、レース史上初の父子制覇を果たした。
今後は
日本ダービーには向かわず、ひと息入れて
安田記念で古馬に挑むプラン。友道調教師も「(
安田記念では古馬と)斤量があるし、マイルでは崩れていないんでね」と次なるビッグタイトルをにらむ。
芝、ダート(ジャパンCダート)でGIを制覇した偉大な父を超えられるか。
クラリティスカイが前途洋々の未来へ第一歩を踏み出した。(川端亮平)
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