第79回
オークス(20日、東京11R、GI、3歳牝馬オープン国際(指)、定量、芝2400メートル、1着本賞金1億1000万円 =出走17頭)
桜花賞馬で1番人気の
アーモンドアイが、好位から直線で抜け出し、2着に2馬身差をつけて完勝。2012年の
ジェンティルドンナ以来、史上14頭目の牝馬クラシック2冠を達成した。タイム2分23秒8(良)。この日が39歳の誕生日だったクリストフ・ルメール騎手は、昨年の
ソウルスターリングに続く連覇。
国枝栄調教師(63)は10年の
アパパネ以来の春の牝馬2冠を制した。
さえぎるものは、やはりいなかった。史上14頭目の牝馬クラシック2冠を、
アーモンドアイが有無をいわせぬ横綱相撲で達成。39歳のバースデーを、
オークス連覇という最高の形で飾ったルメール騎手の笑みがはじける。
「ごっつあんです! いっぱい勝つ自信はあったけど、完璧な誕生日になりました。
桜花賞は楽に勝てたけど、今回は彼女も精いっぱい走りました。みなさん、きょうはチャンピオンホースの走りを見ましたね」
単勝オッズ1・7倍。出遅れた
桜花賞から一転して、好スタートを決めた。1コーナーを前めの7番手で通過。想定外の光景に国枝調教師は、内心ヒヤリと肝を冷やした。「ゲート裏でエキサイトしていたし、実際ちょっと引っ掛かり気味だった。ゆったり行っているならいいけど…」。
しかし、それも無用の心配に終わる。向こう正面で折り合いがつくと、あとは最強人馬の独壇場。直線で力強く抜け出すと、2着
リリーノーブルに2馬身差をつけ、歓喜のゴールに飛び込んだ。
「ルメール! ハッピーバースデー!」
引き揚げてきた殊勲の騎手を満面の笑みで祝福したトレーナーにとって、樫制覇は2010年の
アパパネ以来。当時は
サンテミリオンと同着だっただけに、ひとりで上る表彰台は感慨もひとしおだ。
「引っ掛かってロスもしているぶん、最後までもつのかと思ったけど、やっぱり底力があるね。
ジェンティルドンナ(12年に2分23秒6のレースレコードでV、GI7勝)と同じような時計で走れたのも、やっぱりすごい馬だということ。いい馬に巡り合えて幸せ。おかげさまで無事に2冠を取れた。(3冠宣言した)ルメールが言った通りに、来られているからね」
秋に見据える
秋華賞(10月14日、京都、GI、芝2000メートル)は、
アパパネなど4頭しか成し遂げていない牝馬3冠がかかる。宣言通りに
オークスを制した名手も、偉業への視界を鮮明に捉えている。
「2400メートルも問題なかったですけど、2000メートルはちょうどいいかもしれない。3冠にトライしたいですし、海外にだって行けます。特別な牝馬ですから」
新緑のターフに鮮やかに輝くニューヒロイン。夢は3冠、そして世界へと広がっていく。 (内海裕介)
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オークスのプレゼンターを務めた女優の土屋太鳳 「馬券は(13)
アーモンドアイの単勝を買いました。また、私が2月3日生まれの23歳なので(2)
ラッキーライラックと(3)
マウレアの複勝で勝負しました。結果は見事的中!
日本ダービーは4人で伺うのでとても楽しみです」