今週からいよいよ秋競馬が開幕する。日曜中山のメーンは恒例のハンデGIII京成杯オータムHで、関屋記念2着のヒカルオオゾラや、富士Sなどマイル重賞2勝のサイレントプライドが出走する。新潟記念でハンデキャッパーに直撃取材した柴田章利記者が、今度は独自にハンデを作成し、JRAに挑戦した。果たして接戦のゴール前を演出するのはどちらのハンデか-。
2週前のハンデGIII新潟記念は14着までが0秒4差、2馬身圏内というおそるべき大接戦に終わった。改めてハンデキャッパーの眼の確かさにうなった次第だが、実はこの新潟記念でハンデキャッパーを取材した際、こんなことを言われていた。
「実際にご自身でハンデをつけてみたらいかがですか?」
やってやろうじゃないか。こちらだって毎週予想して印を打っているのだから、能力分析だってもちろんしている。そこで今週の京成杯オータムHのハンデをわたしなりにつけてみた。
JRA発表ハンデと比べると、狙い目になるのはシンボリグランだ。今年はじめに行われた同じ芝1マイルのハンデGIII京都金杯では56キロで11着に惨敗しているため57キロをつけるには酷。それでもCBC賞(当時GII)勝ちし、重賞で何度も上位争いしている実績から56キロから下げられない、と考えたのだが、JRAの55キロは意外だった。やはり京都金杯の結果が尾を引いているのだろう。マイルCS3着も3年前ともなるとハンデに影響しないのか? さすがにサイレントプライドと3キロ差は有利すぎる気がするのだが…。
自分でハンデをつけるに際してカギとなったのは、前走の関屋記念で3着だったマイネルスケルツィ。この56キロを据え置きとしてスタートした。ここ2年の実績では、昨年マイル重賞を2勝したサイレントプライドが抜けている。だが、ここ数カ月ではヒカルオオゾラの重賞2着2回がいい。最初はサイレントとヒカルを57キロで同斤にと考えたが、重賞勝ちがなく詰めの甘いヒカルには不利と見て0.5キロ下げた。
昨年、桜花賞、オークスともに2着のエフティマイアと前走のクイーンS2着のザレマはどちらを上位に取るか悩んだが、甲乙つけがたく同斤量の54キロにした。
ところが、JRAのハンデを見ると、サイレントプライドがトップハンデ58キロでヒカルオオゾラが57キロ。サイレントのトップハンデ自体に異論はないが、近走の内容から58キロは重い気がする。重賞勝ちのないヒカルとは1キロの差を見たようだ。
ハンデをつけたのは初めてだが、JRAのハンデは上に厳しく、下にやさしい気がする。そこが接戦を生み出すコツなのだろうか。自分としてはJRAのハンデはシンボリグランに有利だ、という結論になったが、果たして本番はどうなるか-。(柴田章利)