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鈴木和幸のGI全馬調教診断 ~菊花賞~

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●第71回菊花賞追い切り診断


お待たせしました。

菊花賞の全馬追い切り診断を公開します。


アロマカフェ    
10月20日 美浦P 66秒4-50秒9-37秒6-12秒0 馬なり
    
セントライト記念は2番人気で3着に敗れてしまったが、中間、6Fから2本時計をだし、疲れはまったくない。今週はすでに体ができているので、5Fからの併せ馬も馬なりに終始、1F12秒0で軽快に動いた。少しでも追えば11秒半ばも出たと思われるほどの脚勢が目を引き、ムダ肉のない研ぎすまされた馬体も印象的、前走以上で本番を迎えられる。 


・カミダノミ      
10月20日 栗東坂 52秒8-38秒6-25秒0-12秒8 一杯
     
坂路で単走、4F時計は前走時のそれよりわずかでも速く、追われてしっかり伸びた。こと仕上げに関しては何の問題もない。あとは能力的に足りるかどうか。


クォークスター   
10月20日 美浦W 68秒1-52秒5-38秒0-13秒3 G強め
     
ゴール前、強めに追われて2馬身先着した。この追われての反応はなかなかに感じられたが、時計を見ると、ラスト1F13秒台、体時計も遅い。どうやら相手凡走による先着だ。いつも調教は平凡な馬だけにこれでいいのかもしれないが、どこといってアピールするところのない最終追い切りだった。


ゲシュタルト 
10月21日 栗東W 69秒3-54秒5-39秒8-11秒8 一杯追
     
3ヶ月の休み明けをたたかれての良化を期待したが、内の3歳1勝馬に遊ばれてしまい、いっぱいに追って併入に持ち込むのがやっと。ラスト1F11秒8の速さとは裏腹にフットワークはドタバタして見えた。変わり身に乏しい。


コスモラピュタ   
10月20日 美浦W 83秒2-68秒2-53秒5-40秒0-13秒6 仕掛け
     
軽く仕掛けただけなので時計はかかったが、気合乗りはよく、動きにも力強さがあった。中1週、中2週の強行スケジュールの疲れはない。この馬も後は能力、そして、単騎で逃げられるかの展開がすべて。

  
サンディエゴシチー 
10月20日 栗東W 84秒1-68秒0-53秒1-38秒8-11秒7 馬なり
     
折り合いに難点があり、この点が注目されたが、16秒1、14秒9、14秒3のゆったりペースにも掛かることなく乗り手の指示通りに動け、結局最後まで馬なり。この折り合いのよさがラスト1F11秒7の切れにつながった。こんなにもスムースに、素直に走る姿を見るのは初めて。この走りをレースでもできれば一発大駆けがある。

  
シルクアーネスト  
10月21日 栗東W 80秒5-65秒4-50秒6-36秒7-12秒0 G一杯
     
札幌から帰厩し、中間2本と順調に乗り込め、動きもひと追いごとに良化。今週も直線重点ではあったが、G前いっぱいに追われ、力強く鋭い伸び。仕上げのよさ以上に前走後の成長が感じられる好ゲイコだった。

  
・シルクオールディー 
10月21日 栗東W 83秒8-67秒9-53秒1-38秒9-11秒7 一杯追

4角まではゆったりと走ってきたが、直線はいっぱいにノシをつけられた。この反応がすばらしく、ゴールしたときには併せた古馬に1秒の大差をつけていた。このラスト1Fは11秒7の速さ、道中のズブさも消え、これまでで一番中身が濃い。

  
トウカイメロディ   
10月20日 美浦P 81秒7-66秒2-51秒6-37秒3-11秒4 G強め

3~4角のコーナリングも軽快に、1Fごとのスピードアップ、直線追われると重心を沈め、単走で別掲の好タイムをマーク、1F11秒4の切れは3連勝がなるほどとうなずけるすばらしさだった。この馬で強調されるのは、この最終追い切りだけでなく、この中間にいつにない猛ゲイコを積んできたこと。まさに最後の1冠に闘志むきだしで、その思惑通りに仕上がった。Vチャンスまであり。        

  
トレイルブレイザー 
10月21日 栗東坂 52秒6-38秒0-25秒0-12秒7 一杯追
      
坂路で実戦並みの併せゲイコ、並んでゴールの時計なら合格点をやってもいいだろう。しかし、前走時もこれに近い時計は出ており、きわだった良化とまではいかない。馬体の張りのよさから前走以上は間違いないが…

  
ネオヴァンドーム  
10月20日 栗東坂 52秒3-38秒4-25秒4-12秒8 一杯追
     
時計的には合格、道中のフットワークもパワフルだったが、気がかりはステッキが入ると、尾を振る気の悪さを見せたこと。時折、レースで折り合いを欠いてきた気性面の難しさは、まだ完全解消とまではいっていない。

  
ビッグウィーク    
10月21日 栗東P 65秒4-51秒1-37秒5-11秒1 一杯追
     
ラスト1Fのこの時計を見ると、たとえポリトラックでも“すばらしい切れ”と感じてしまうだろう。でもその実、頭が高く、追い出されると尾を振るなど、気になる点もあり、数字ほどの鋭さではなかった。もっともそれらのクセは毎度のことなので、仕上がり、具合よしと見てよかろう。

  
ヒルノダムール   
10月21日 栗東W 84秒2-67秒9-52秒4-38秒0-11秒2 G追う
     

先週までに坂路、ウッド併用で時計8本とハードに乗り込み、それで体も息もほぼできた。今週の総仕上げは2歳馬を2馬身ほど先行させ、4コーナーで内から並ぶ形。16秒3、15秒5、14秒4のスローにも鞍上・藤田との呼吸はぴったり。注目の直線は相手の追い出しを横目で見やりながらラスト1Fから反応を見る感じの追い出し。すると、まるで相手が止まったかに見える瞬発力で2馬身先着、11秒2と切れに切れた。もはやレースを待つばかり。最後の1冠をもぎとる可能性十分。

  
ビートブラック    
10月20日 栗東坂 51秒8-37秒4-24秒2-12秒1 G強め
     
14日に坂路4F52秒1-37秒7をだし、今週も余力をたっぷり残してこの時計。動きは力強いし、反応のすばやさ、シャープな伸びはこれまで以上。状態のよさならどの馬にも負けない。

  
ミキノバンジョー 
10月20日 栗東W 76秒9-62秒1-48秒9-36秒5-11秒4 一杯追
     
テンの1Fこそ14秒8に控えたが、以後は13秒2、12秒4とペースをあげていき、直線いっぱいに。別掲の時計を見れば、それだけで好調とわかるが、最後までフットワークを乱さず、真一文字の伸びがとくに目を引いた。前走時の最終追いが同じポリトラックで6F85秒0-40秒1でしかなかったのだから。この比較でも急上昇ぶりがわかる。セントライト記念9着の凡退は忘れた方がいい。

  
リリエンタール    
10月20日 美浦W 82秒1-68秒0-54秒0-39秒5-13秒9 馬なり
     
追ったところなしの最終追い切り、このため時計は平凡。しかし、前2頭の1秒後から行き、G前グイッと2馬身出た内容は、道中の折り合いがぴたりとついていたからこそ。ここに精神面の成長が感じられたし、とても420キロ台とは思えないほど体を大きく見せていたあたり、馬体の成長も目を見張るばかり。前走勝ちを機にいよいよ本格化、完成の域に近づいた。穴気配が漂う。

 
レーヴドリアン    
10月21日 栗東W 82秒6-66秒9-52秒2-38秒7 12秒5 一杯追
      
併せ馬で遅れてしまったが、もともと攻め馬駆けしないのでこれは気にしなくていい。それより今回の追い切り時計に注目で、これはこの馬にしては上々、きわめて速いのだ。ちなみに前走時は今回と同じCウッドで、6F83秒9-41秒1でしかなかったのである。もう一点注目していただきたいのは馬体。必要なところに筋肉がついて、春にはなかったたくましさがでてきたのだ。穴に一考を。

  
ローズキングダム  
10月21日 栗東坂 53秒1-38秒3-24秒5-12秒2 仕掛け
      
武豊が手綱を取り、いつも通りの坂路。14秒8、13秒8とペースをあげていったが、ユタカの手はピクリとも動かず、馬なりのまま。先に手が動いたのは相手馬の方。これを見ながらGOサインが出たのは、残り200メートル地点を過ぎてから。待ってましたとばかりにストライドを伸ばし、楽々と3馬身の先着、これで軽く仕掛けただけ。道中の折り合いのいい、いかにも気分がよさそうな走りといい、反応のよさといい、しまいの時計の速さといい、どれをとってもケチのつけるところなし。ユタカも思わず、「前走よりいいと感じました」と。断然の1番人気馬の仕上げは100点満点。120点をつけてもいい


鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

今もパドック党として最前線で活躍中。

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