最新競馬コラム

鈴木和幸のGI全馬調教診断 ~ジャパンC・日本馬編~

 514

●第30回ジャパンカップ(GⅠ)追い切り診断

「日本代表馬」

ヴィクトワールピサ
11月24日 栗東W 84秒6-68秒7-53秒9-39秒7-11秒9 馬なり

帰国後の初時計は今月の7日、以後、坂路、ウッドコース併用で時計6本と順調に乗り込まれてきた。最終追い切りは3頭併せの3番めのスタート、4コーナーで横一列に並び、最後は外に1馬身先着し、内には頭ほど遅れた。それでもラスト1Fは12秒を切り、まだ余裕もあった。これなら合格点がやれるが、ちょっぴり気になったのは仕上がりすぎというか、体が小ぢんまりと映ったこと。春ははち切れんばかりで、体重以上に大きく見せていただけにその点が物足りない。


エイシンフラッシュ
11月24日 栗東W 85秒7-69秒5-54秒2-39秒3-11秒6 馬なり

筋肉痛のために菊花賞を回避、しかし、大事には至らず、ここに向けて8本もの時計を坂路、ウッドで出してきた。いってみれば、先週のウッド6F80秒7-36秒9が事実上の最終追い切りで今週は終始馬なり追ったところなし。このため、全体時計は別掲の遅さだが、直線半ばからは重心を沈めラスト1F11秒6の糸を引いたような一直線の伸び、力強さに加えて鋭さ満点の動きだった。先週にもラスト1F11秒台をマークしており、九分以上の仕上げは間違いない。


オウケンブルースリ
11月24日 栗東坂 52秒3-38秒4-25秒6-計不 一杯追

調教ではとくによさを見せるタイプではない。今週の坂路でもまずまずの時計はでたが、追われての反応は案外で、相手が抑えていてくれたので併入に持ち込んだ内容だった。これが調教駆けしないためならいいのだが、それにしても反応が鈍かった。休み明けの前走以上の鈍さだったので、あるいは歩様の乱れで天皇賞を自重した影響があるのかも。この追い切りを見るかぎりは不安のほうが先に立つ。


・ジャガーメール
11月25日 美浦P 50秒4-36秒5-11秒9 直強め

天皇賞の18着降着のショックもなく、この中間は時計4本と順調に乗り込めている。今週は前走時同様にポリトラックの半マイルからの追い切り。テンの1Fは13秒9と控えかげんだったが、3F標からはにわかにピッチをあげ、直線で前にいた3歳馬に並んだかと思うと、次の瞬間にはもう1馬身、2馬身抜け出し、ゴールしたときには3馬身差、3F、1Fともに別掲の出色の時計で、それでまだ余裕があったのだからすばらしい。休み明け2戦めの上積みはかなり、Aの評価をやっていい。


シンゲン
11月24日 美浦W 68秒2-52秒5-38秒2-13秒2 直強め 

この馬も調教ではあまりよさを見せない。今回の追い切りも平凡な時計、平凡な動きだった。いや、少し気になったのはゴール前追い出されてから頭が高くなったこと。少なくとも前走後の変わり身は望めない。


ナカヤマフェスタ
11月23日 美浦坂 50秒3-37秒8-25秒2-12秒4 G仕掛

この3日に放牧先から帰り、先週には坂路4F48秒8-36秒6の猛時計を出している。今週もこれだけの時計がでたので、中間に咳をしたなどの影響はないだろう。ただこの馬の場合は先週の追い切りではウッドコースをいやがり、やむなく坂路だったし、今週も10分近く馬場入りをごねていた。この精神面の課題が残されており、全幅の信頼はかけにくい。


ブエナビスタ
11月23日 栗東W 83秒9-68秒9-53秒7-38秒6-12秒1 直強め

天皇賞後もさしたる疲労はなく、13、17、20日と時計が出せ、17日は長め7Fからと、すこぶる順調だ。これが何より。今週はいつも通りウッドの6Fから行き、15秒0、15秒2、15秒1のゆったりとしたペース。直線、念のため気合を入れられるとグイッとばかりに伸び、ラスト1F12秒1。強く追えば1秒台間違いなしの脚勢だったから、仕上げはこれで十分。天皇賞前があまりにもよかったのであれ以上はないが、かといって以下を案ずることもなしである。


ペルーサ
11月23日 美浦芝 66秒8-52秒3-38秒1-13秒0 馬なり

先週の17日に本馬場で5F64秒4-35秒5を出し、19、21日にも坂路で乗った。もはや強く追う必要なし、今週はまったくの馬なりだった。むろん、これでいいし、動きも柔らかさがあってダイナミック、ゴール前では自らハミをとる気合も見せた。追い切り後のゲート練習もスムースだった。今度はスッと出るのではないか。


メイショウベルーガ
11月23日 栗東坂 54秒1-39秒5-25秒3-12秒3 G強め

エリザベス女王杯でまた体重が増えていたが、決して太かったとは思わない。太ければあそこまで走れまい。ピークの状態だったと思う。当時の追い切りと比べると、今回は全体時計がかなり遅いし、動きに硬さが出てきたように感じる。中1週の強行軍ではそれもむべなるかな。大駆けを望むのは酷だ。


ローズキングダム
11月23日 栗東坂
52秒4-38秒9-26秒0-13秒2 G強め

菊花賞でさらに2キロ増えた馬体をこの中間もキープ、おかげで中間4本の時計をマークし、先週は坂路4F51秒4-37秒9の速さ。今週は、一応は併せ馬の形をとったが馬なりマイペースを守り、ゴール前だけ強め、瞬時に併走馬を置き去りにしてしまった。この反応のよさと、道中のリラックスした走りが印象的で、調子落ちは一切ない。


※外国馬に関しては、金曜朝の状態を東京競馬場でチェックしてからまとめますので、金曜午後までお待ちください。


鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

今もパドック党として最前線で活躍中。

関連キーワード

 ナイス!(5

このコラムへのコメント

コメントはありません。

関連競馬コラム

新着競馬コラム

人気競馬コラム

会員登録(無料)でできること

レース情報

今週の注目レース

5月5日()
NHKマイル G1
新潟大賞典 G3
5月4日()
京都新聞杯 G2

⇒今週の番組表へ

先週のレース結果

4月28日()
天皇賞(春) G1
4月27日()
青葉賞 G2
ユニコーンS G3

⇒先週の番組表へ

総賞金ランキング
JRA競走馬総賞金ランキング
4歳以上
1 ドウデュース 牡5
102,726万円
2 スターズオンアース 牝5
84,098万円
3 リバティアイランド 牝4
74,444万円
4 ディープボンド 牡7
73,123万円
5 ジャスティンパレス 牡5
65,388万円
6 シャフリヤール 牡6
59,685万円
7 タスティエーラ 牡4
57,005万円
8 テーオーロイヤル 牡6
51,827万円
9 セリフォス 牡5
49,313万円
10 ジャックドール 牡6
49,004万円
» もっと見る

3歳
1 ジャスティンミラノ 牡3
27,482万円
2 ステレンボッシュ 牝3
21,547万円
3 ジャンタルマンタル 牡3
18,666万円
4 アスコリピチェーノ 牝3
16,854万円
5 コスモキュランダ 牡3
15,392万円
6 シンエンペラー 牡3
11,128万円
7 コラソンビート 牝3
9,942万円
8 エトヴプレ 牝3
9,644万円
9 スウィープフィート 牝3
9,386万円
10 レガレイラ 牝3
8,278万円
» もっと見る