第15回
アイビスサマーダッシュ(2日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、別定、芝・直1000メートル、1着本賞金3800万円 =出走14頭)JRA唯一の直線芝1000メートル(千直)の名物重賞は、1番人気の
ベルカントが好スタートから残り約200メートルで先頭に立ち、後続を一気に振り切った。重賞3勝目。鞍上のミルコ・デムーロ騎手はサマージョッキーズシリーズで10ポイントを上乗せし、3位から首位(25ポイント)に立った。タイム54秒1(良)。2馬身差の2着は9番人気
シンボリディスコ。
ベルカントが、新潟初参戦でJRAの“千直”競馬初騎乗のミルコ・デムーロ騎手に導かれて、1番人気に応えた。
「ボクはストレートコースが大好きです。日本にはストレートがなんで少ないんだろうと思っていたから、楽しみにしていました」
直線競馬は日本では新潟だけだが、欧州ではよくあるだけに、ミルコには手慣れたものだった。
有利とされる外枠(〔8〕枠(13)番)から好スタートを切って3番手。いつでも抜け出せるように脚をためると、残り200メートルあたりで先頭に立ち、2馬身突き放す完勝だった。「(角田)先生からも(武)ユタカさんからも、スタートのいい馬と聞いていました。いいポジションで競馬ができたし、最後もよく伸びてくれました」と満面の笑みで汗をぬぐった。
これで夏競馬は福島、函館に次いで新潟でもV。まだ勝っていない競馬場は札幌だけになったが、それも時間の問題だ。サマージョッキーズシリーズも25ポイントでトップに立ち、絶好調だ。
角田調教師は「(サマースプリントシリーズ第2戦の)
CBC賞を(挫創で)取り消して、関係者に迷惑をかけていたからホッとしました」と、昨年の
フィリーズレビュー以来の重賞Vに胸をなで下ろした。
「これだけ差をつけて勝てるとは思わなかったし、重賞で活躍していた頃に戻ってきたかな」
現役屈指のスピード馬の復活気配を感じ取ったトレーナー。次走はシリーズ第4戦の
北九州記念(23日、小倉、GIII、芝1200メートル)。
チャンピオンの座を揺るぎないものにする構えだ。 (柴田章利)
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ベルカント 父
サクラバクシンオー、母
セレブラール、母の父ボストンハーバー。栗毛の牝4歳。栗東・
角田晃一厩舎所属。北海道新ひだか町・土居忠吉氏の生産馬。馬主は前田幸治氏。戦績13戦4勝。獲得賞金1億5087万4000円。重賞は2013年GIII
ファンタジーS、14年GII
フィリーズレビューに次いで3勝目。
アイビスSDは
角田晃一調教師、ミルコ・デムーロ騎手ともに初勝利。馬名の意味は「美しい歌(音楽用語)」。