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サマーマイルシリーズは、今週の中山競馬場で行われる最終戦(全3戦)の京成杯オータムHまで目が離せない展開だ。逆転優勝に向けて面白いのが、8ポイントで3位につけているアルマディヴァン。前2戦は2、4着とあと一歩だけに、開業4年目の高橋文雅調教師(43)=美浦=にも力が入っている。重賞初制覇で、シリーズ優勝を決める。
悲願の重賞初Vは、サマーマイルシリーズの逆転優勝がかかっている。中京記念2着、関屋記念4着のアルマディヴァンが、厩舎の期待を乗せて中山を激走する。
「厩舎開業当初からの馬がここまできてうれしいね。自分たちのやってきたことが実になっているということだから」
開業4年目を迎えた高橋文調教師が、感慨深い表情で話す。高橋師は大久保洋吉厩舎の助手時代の2012年、調教師試験に合格。準備期間もあまりないままに同年3月に開業した。その年の12月にアルマはデビュー。初勝利に5戦を要し、オープン入りは5歳になった今年の3月と遅咲きの牝馬だが、そのぶん「いい勉強をさせてもらっている」と感謝の様子だ。
後方一気の末脚が武器で、関屋記念では上がり3ハロン32秒7の豪脚で追い上げた。「1回ブレーキをかけるところがあったけど、そこからまた伸びた」と、スムーズなら0秒2差は変わっていたかも。今回は開幕週の馬場が鍵だが、「手前を替えてからの一瞬の伸びがあるから、思うほど中山は悪くない。開幕週だから内で死んだふり。それでもいいね」と、一発を狙う。
「以前は追い切って反動が出たけど、いまはそれもなくなった。いつも競馬ではこちらが思うより一段上の走りをしてくれるからね。その準備はできたと思う」
中京記念が13番人気、関屋記念が8番人気。今回も人気はなさそうだが、トレーナーは好勝負できる手応えをつかんでいる。サマーマイルシリーズは8ポイントで3位。「勝てば文句ないよね」と気鋭のトレーナーも当然、逆転優勝を狙っている。充実一途の5歳牝馬が、厩舎に初の重賞タイトルをもたらし、夏のマイルチャンピオンの称号を手に入れる。 (柴田章利)
★京成杯オータムハンデキャップの出馬表はこちら
★優勝の行方
サマーマイルシリーズは第3戦の今回が最終戦。王者になるには12ポイント以上であり、シリーズ1勝以上が条件。現在3位(8ポイント)のアルマディヴァンと5位(4ポイント)で並ぶダローネガ、ヤングマンパワーは京成杯AH制覇が絶対条件となる。首位(11ポイント)の2頭、スマートオリオン(第1戦・中京記念V)とレッドアリオン(第2戦・関屋記念V)は6着以下でも1ポイントが与えられるため、出走すれば最低でも計12ポイント。優勝条件を満たす。
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