第34回
マイルチャンピオンシップ(19日、京都11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝・外1600メートル、1着本賞金1億300万円 =出走18頭)4番人気の
ペルシアンナイトが鮮やかに差し切り、GI初制覇。3歳馬として17年ぶりの勝利となった。タイム1分33秒8(稍重)。ミルコ・デムーロ騎手(38)は
エリザベス女王杯に続く2週連続GI制覇で、
武豊騎手らに並ぶ年間JRA・GI6勝の最多記録を達成。今週末の
ジャパンC(26日、東京、GI、芝2400メートル)では新記録がかかる。2着は
エアスピネル、3着は
サングレーザーが入った。1番人気の
イスラボニータは5着に敗れた。
またもミルコ劇場だ!
皐月賞2着の
ペルシアンナイトが古馬の壁を突破し、17年ぶりに3歳馬のマイル王が誕生。年間JRA・GI6勝の最多タイ記録を決めたM・デムーロ騎手が喜びを爆発させた。
「絶好調ですね。ずっと自信を持っていたし、いつも通り勝ちたい気持ちだけでした」
大外(18)番枠から愛馬を完璧にエスコートした。スタート後は後方3番手となったが、そこからの進路取りはさすがだった。内々を回り、3、4コーナーの坂の下りから馬群に入れるロスのない立ち回り。直線に入り僅かな隙間をみつけて馬場の真ん中へ持ち出すと、最後は先に抜け出していた
エアスピネルをきっちりハナ差とらえた。
「ずっと手応えは楽だったし、他馬と併せるとすごく頑張った。真面目な馬で負けたくない気持ちは(僕と)同じ」
鞍上は勝利への執念をレース前からみせた。馬場への入場前に気になった鞍の位置を修正していたのだ。池江調教師は「彼は普段はそういうことをしないけど、今回に限ってはこだわりがあったのかな」と感心。愛馬への信頼と、絶好調と自負する心の余裕が僅かな“ズレ”を修正させた。
母国イタリアから来日した両親にも素晴らしいプレゼントとなった。母のラファエラさん(63)は「すごく感動しています」と喜んだ。“生観戦”は
ネオユニヴァースで制した2003年の
皐月賞以来2度目で、GI2戦2勝。ミルコも「きょうは家族のパワーだと思う」と家族の絆を再確認した。
ジャパンCでは、年間GI7勝の新記録がかかる。騎乗馬(
サトノクラウンが有力)は確定していないが、今の勢いなら新記録達成もありそうだ。
ペルシアンナイトの急成長もGI初制覇につながった。JRA・GIは今年3勝目、通算19勝目となった池江調教師は「ここにきてカイバをどんどん食べるようになって体つきが男馬らしくなった」と成長を実感している。今後は未定だが1600~2000メートルあたりを視野に入れていく。「将来もあるし、いろんな選択肢を残しつつ、しっかり育てていきたい」とトレーナーはさらなるステップアップを誓う。
本命馬不在といわれたマイル界を制圧した
ペルシアンナイトが、来年以降も主役を張る。 (斉藤弘樹)
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