僕の大好きなクラリネット。パパからもらったクラリネット。とっても大事にしてたのに、壊れて出ない音がある…。
ご存じ「クラリネット壊しちゃった」の歌詞だ。しかしこの歌、聞けば聞くほど不思議な歌だと思うのは私だけだろうか。
たとえば3番。ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない、とあるが冷静に考えると半音を除いて全ての音が出ないことになる。しかも“とっても大事にしてた”のにだ。そんなことがあるだろうか? 私には楽器の扱い方を誤ったとしか思えない。お世辞にも“大事にしてた”とは言えないのでは? そんな風に思うのだ。
更なる謎は歌詞に出てくる呪文「オゥパッキャマラド」。これは一体なんだ?と思う。想像で辿り着いたのは冒頭のオゥがOh!で、この曲の現調がヘ長調(F-dur)だという解釈。でパッキャマラドの「ラド」はそのまま音階で「パッキャマ」はクラリネットの吹き損じのリードミス(音飛び)の擬音化と考えたが、ネットで調べてあっさり間違いと分かった(笑)。
「オゥパッキャマラド」の正体は実はフランス語でau pas, camarade。au pas(オゥ・パ)は「足並みを揃えて」という意味でcamarade(キャマラド)は「友」とか「仲間」を意味する。何故こんなところにそんな歌詞が登場するかというと、実はそもそもクラリネットは壊れたのではなく「吹き方が分からない」が正しい歌詞なのだ。言ってみれば「壊れた」は誤訳。ものの本には「上手に吹けない息子に父親が励ましながら教える様子」とあったが、そう考えると怪しさの欠片もない歌なのだ。
昔日本に輸入された海外の歌にはとんでもない邦題や和訳がついていることが少なくない。件のクラリネットもその犠牲の一つだ。Oldiesファンが聞いたら怒るかもしれぬがCMでよく使われるカーペンターズの「Yesterday once more」など、直訳すれば「昨日よもう一度」くらいだがこの歌の邦題は“遥かなる影”だという。どう訳したらそうなるのだろうか(笑)。
さて、海外から入ってきたと言えば競馬にもそういう馬が存在する。いわゆるマル外だ。今週メインの
京阪杯は阪神芝1200mで行なわれるがこのマル外格言を使って考えてみたい。
曰く「短距離はマル外」。
当たらずとも遠からず、という印象だ。マル外はいわゆる外国産馬だが、普通に国内で生産し調教を積む馬よりもコストがかかるため、馬主は手っ取り早く稼げる血統を好む。国内のレースはダートを中心とした短距離の方が多いので短いスパンで出走させることが可能で、そういうレースに適した血統がマル外には多い。
マリアズハートは全6勝が1000~1200m。前走
スプリンターズステークスは⑮人気ながら上がり最速をマークし8着と健闘した。
マイルチャンピオンシップ最終1番人気だった
シュネルマイスターに先着するだけの力はあるので、ここでも面白い。母の名はMaria's Dance。その母はRansom danceで、そのまた母はDance teacherだという。リズムよく踊るように馬群を抜け出し、7勝目を挙げて欲しい。
(文:のら~り)