クイーンCが13日、東京競馬場で16頭によって争われ、戸崎騎乗で2番人気の
アカイトリノムスメが直線で力強く抜け出して快勝。2010年の牝馬3冠などGI5勝を挙げた母
アパパネの子供で最初の重賞ウイナーに輝いた。生産者のノーザンファームは現3歳世代の重賞で17連勝を達成。2着は5番人気の
アールドヴィーヴル。1番人気
ククナは3着だった。
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父母娘3冠制覇の壮大な夢へ、大きく翼をはためかせた。2005年の3冠馬
ディープインパクトと10年の3冠牝馬
アパパネの間に生まれた
アカイトリノムスメが3連勝で重賞初挑戦V。戸崎騎手は満面の笑みで引き揚げてきた。
「しっかり反応して伸びたし、気を抜くことなく走ってくれました。最後は『しのいでくれ!』という感じでした。いい内容で強い勝ち方ができてうれしいです」
課題のスタートを決めてスッと流れに乗り、残り1ハロンで力強く先頭へ。ゴール前は
アールドヴィーヴルにクビ差まで迫られたが、抜かされるような気配は全くなかった。着差以上の完勝劇。父母合わせて12冠の超良血馬が、堂々とクラシック候補へ名乗りを上げた。
「そりゃうれしいよ。100点の競馬だった。(課題は)言えば切りがないけど、競馬がうまい。体も増えていたからね。少しずつ(母の)イメージに近づいてきた」
アパパネを管理していた国枝調教師にとっても子供の重賞初勝利は格別の味だ。母と同じ赤松賞を制しながら、当時よりも間隔が1週短いことを考慮して母娘制覇のかかる
阪神JFへの参戦は自重。間隔をあけて成長を促すと、この日の馬体重は4キロ増で、デビューから右肩上がりにパワーアップ。指揮官の決断が吉と出た。
この後は在厩で調整し、
桜花賞(4月11日、阪神、GI、芝1600メートル)への直行が濃厚。胸を張って母と同じクラシックロードを歩む。本番には同じ金子オーナーが所有する白毛の2歳女王
ソダシが待ち受けるが、「紅白で面白いな」とトレーナーはニヤリ。桜舞う仁川の“馬合戦”でも主役の座は譲らない。(漆山貴禎)
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アカイトリノムスメ 父
ディープインパクト、母
アパパネ、母の父
キングカメハメハ。黒鹿毛の牝3歳。美浦・
国枝栄厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績4戦3勝。獲得賞金5104万円。重賞は初勝利。
クイーンCは
国枝栄調教師、
戸崎圭太騎手ともに初勝利。馬名は「赤い鳥(
アパパネ)の娘」。