第4回
ヴィクトリアマイル(17日、東京11R、GI、4歳上牝馬オープン国際、定量、芝1600メートル、1着本賞金9000万円=出走18頭)ダントツ人気の
ウオッカが1分32秒4(良)のレースレコードで7馬身差の圧巻V。1番人気で2着に惜敗した昨年のウップンを晴らし、牝馬では最多タイとなるGI5勝目を挙げた。
武豊騎手は22年連続GI制覇&JRA牝馬GI完全制覇を達成した。
ウオッカは年内で引退予定で、次走は
安田記念で連覇に挑む。
「(勝たなければいけない)そういう立場だということは感じていましたので」
断然人気の
ウオッカを勝利に導いた
武豊騎手の表情は晴れやかだった。昨年の天皇賞・秋では長い写真判定の末、
ダイワスカーレットをハナ差で退けたが、7馬身差の圧勝に「今回は勝ったのが分かりましたね」と笑いを誘った。
昨年のVマイルは
エイジアンウインズに惜敗。今年のドバイ遠征は2戦とも敗退。
ウオッカとは6戦して勝利は天皇賞だけ。「ドバイの時もいい状態だったし、今回も今まで乗った中で一番いいんじゃないかと思っていた」。ここに賭ける思いは強かった。
「日本のチャンピオンホース。勝たなければいけないレースだった」と思う一方、「いつもいつも勝つタイプの馬ではない」と感じていた。能力はケタ違いだが、爆発力と繊細さを併せ持つ
ウオッカをスムーズに流れに乗せたユタカ。前週の
NHKマイルCでは1番人気
ブレイクランアウトで9着に敗れるなどGIでは結果が出ていなかったが、22年連続GI勝利でいよいよ天才の本領発揮だ。土、日で5勝を挙げ今年JRA47勝。全国リーディングトップにあと2勝(1位は横山典騎手の49勝)。今週の
オークスは伏兵のツーデイズノーチスで参戦。水曜に美浦トレセンに駆けつけ感触を確かめる。
桜花賞5勝、
オークス3勝、
秋華賞3勝、
エリザベス女王杯4勝、
阪神JF1勝(当時は阪神3歳牝馬S)に次ぎ、この日の勝利で史上初の牝馬GI完全制覇。平地GI22レース中、優勝していないのは
マイルCSと
朝日杯FSだけだ。「JRAがまた新しいレースを作ってくれるかも」と、天才はさらなる記録に意欲満々だ。
「今回は
ウオッカの走りだった。今年はこのような走りを続けて、連戦連勝で行きたい。この馬の背中を渡したくない」。決意を新たに、ユタカは第一人者のプライドを持って競馬界を盛り上げていく。(下村静史)