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【山崎エリカのダートグレード攻略】~黒船賞2016~

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【山崎エリカのダートグレード攻略】~黒船賞2016~ | コラム | ウマニティ

 高知では唯一の交流重賞となる黒船賞。黒船賞は2008年に高知競馬が経営逼迫で休止し、2009年以降は賞金を減額しながらも続行されています。しかし、賞金が安くなったからメンバー質が下がったかというと、けっしてそんなこともありません。黒船賞は、前年のJBCスプリント以来の別定の短距離の交流重賞となるために、交流重賞で結果を出してきた馬たちが「待ってました!」とばかりにここに出走してくることが多く、かつてと変わらないレースレベルが維持されています。

 よって、前年のJBCスプリントで上位の馬が出走してくる場合や、昨年のダノンレジェンドのようにJRAの重賞で結果を出して、この路線に転向した馬が強い場合には、G3とは思えないほどレースレベルが高くなることも度々あります。そのように年ごとのレースレベルにばらつきが見られますが、前年のJBCスプリントの連対馬が出走してくれば、高確率で連対します。

 前記の該当馬は、2002年ノボジャック(2着)、2005年マイネルセレクト(1着)、2006年ブルーコンコルド(1着)、2010年スーニ(1着)、2012年セイクリムズン(1着)、2013年セイクリムズン(1着)、2014年ドリームバレンチノ(2着)、2015年ドリームバレンチノ(2着)。唯一の例外は、2012年のスーニですが、このときは斤量59㎏の酷量を背負わされての4着でした。前年のJBCスプリントの連対馬で、斤量58㎏以下ならばかなり信頼できると言えるでしょう。

 また、その他の過去10年の連対馬にも直近1年以内のG2で3着以内か、G3で連対の実績があり、例外馬はいませんでした。つまり、基本的には実績がなければ狙えないレースで、上がり馬よりは実績馬優勢のレースということになります。さらにこのレースでは、一昨年の勝ち馬セイクリムズンや2着馬トウショウカズン、昨年の2着馬ドリームバレンチノやように、前走のフェブラリーSでは通用しなかった馬がここでやや人気を落として巻き返してくるパターンがしばしば見受けられます。これは距離適性云々よりも、中距離戦と短距離戦のレベル差にあるでしょう。

 かつてスマートファルコントランセンドとともにダート界を賑わしたエスポワールシチーという馬がいました。エスポワールシチーは全盛期は中距離路線で活躍し、そこで通用しなくなると矛先を短距離戦に向け、引退が決まった年にはJBCスプリントを制しました。本来、競走馬は衰えると一般的に「ズブくなる」と表現されるように、スピードが鈍るもの。本来はスピードよりも経験で培ったスタミナを生かすため、どんどん長いほうの距離に照準を合わせていくものです。

 しかし、エスポワールシチーがどんどん短い距離に照準を合わせ、それで通用したのは、短距離戦は中距離戦よりも断然レベルが低いことの証でしょう。ゆえに黒船賞に限らず、短距離戦では前走で今回距離よりも長い距離を使われてきた馬、あるいは中距離路線から路線変更して、前走では距離に戸惑って負けたタイプが人気以上の活躍を見せることがとても多いです。これは簡単にヒモ穴をひっかける方法でもあるので、覚えておいて損はありません。

 また、みなさんもご存知のように、このレースはそれなりのレベルにあるので、地方勢はまず通用せず、わりと本命サイドで決着します。2006年に南関東のロッキーアピールが6番人気で2着したことがありましたが、ロッキーアピールは前年の東京盃でクビ差の3着の実績があり、さらにその前年にはさきたま杯を勝利した実績馬です。しかし、このレースで6番人気だったのは、中央馬=強い、地方勢=弱いというイメージによる決めつけ以外の何でもないでしょう。

 地方勢では他に2007年に愛知のキングスゾーン(6番人気)、2015年に兵庫のタガノジンガロ(5番人気)がこのレースで3着入線し、3連複、3連単の波乱の立役者となったこともありました。しかし、キングスゾーンは前年の浦和記念で2着、タガノジンガロは前年のかきつばた記念の勝ち馬で、この舞台でも十分上位に来る可能性はありました。キングスゾーンはこれこそ中距離から短距離に転向して穴を開けたタイプで、前走のダイオライト記念では大差の9着に負けたことが人気の盲点となった部分もあります。しかし、両馬ともに不当に人気がなかったのはやはり地方馬=弱いのイメージが強いからでしょう。

 交流重賞では地方馬の取り扱いが馬券の要であり、地方勢の好走によってのみ穴が開くところがあります。2009年に9番人気で3着入線し、アドバルーンを打ち上げたフサイチバルドルさえも、実績という意味では狙いづらいものがありましたが、JRAで長らく芝を使われ、高知に移籍してダートを使われて素質開花というプチ・ゴルトブリッツのパターンで、けっして狙えないことはなかったはず。個人的にはこの馬券は当たりました。今年は昨年のJBCスプリントの2着馬ダノンレジェンドこそ出走しているものの、JRA勢は上がり馬が人気上位に食い込むメンバー構成。ひょっとしたら地方勢の2着、3着はあるかもしれません。


 まとめるとこうなります!
 ●本命馬
 前年のJBCスプリントの連対馬。
 ●相手
 直近1年以内のG2で3着以内か、G3で連対の実績馬。
 ●穴馬
 連勝馬や前走圧勝の地方馬。
 

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