ジョアン・モレイラ(40)=ブラジル=騎乗で1番人気の
ナミュールが差し切って、昨年の
チューリップ賞以来の重賞2勝目を挙げた。次走は優先出走権を獲得した
マイルCS(11月19日、京都、GⅠ、芝1600メートル)も含めて検討される。外から伸びた4番人気
レッドモンレーヴが2着だった。
西日が照らす直線コースを、
ナミュールが1分31秒4のレースレコードで突き抜け待望の重賞2勝目。この日から再び短期免許を取得したモレイラ騎手は、お立ち台に上がり頰を緩めた。
「強い馬の勝ち方でしたし、乗せてくれて感謝です。今日はビッグスマイルで帰れます」
ヴィクトリアマイル7着、
安田記念16着と今春のGⅠは不利が続き、不完全燃焼に終わった。そのためこんだストレスを爆発させるかのような豪快な末脚に、「正直、そこまで瞬発力があるとは思っていませんでした。でもスペースができてからは、すごい脚でした」と鞍上も驚きの表情を浮かべた。
次戦は未定だが、より大きな舞台が視野に入ってくるだろう。名手は「もっと大きいところを勝ってもびっくりしません」とさらなる活躍に太鼓判を押す。苦難の春を乗り越えた才女が、もう一度頂上へアタックする。
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ナミュール 父ハービンジャー、母サンブルエミューズ、母の父
ダイワメジャー。鹿毛の牝4歳。栗東・
高野友和厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム。戦績12戦4勝。獲得賞金2億5319万1000円。重賞は2022年GⅡ
チューリップ賞に次いで2勝目。
富士Sはジョアン・モレイラ騎手、
高野友和調教師ともに初勝利。馬名は「サンブル川とミューズ川が合流するベルギーの都市。母名より連想」。