宝塚記念が終了し、今週から本格的な夏競馬モードに入り、福島では日曜メーンに3歳馬のハンデGIIIラジオNIKKEI賞(芝1800メートル)が行われる。開幕から逃げ・先行馬の活躍が目立つ福島開催。弥生賞や皐月賞で逃げて見せ場を作ったメイショウカドマツにとっては絶好の舞台で、重賞初制覇のチャンスだ。 逃げ馬天国になっている今年の福島。3歳屈指の逃げ馬メイショウカドマツに重賞初Vのチャンスが到来した。 2回福島競馬は2週が終了し、芝は28レース行われ、そのうち逃げた馬は11勝、2着5回で勝率39・3%、連対率57・1%という驚異的な成績を残している。それだけに先手を取る馬を探すのが的中への近道といえるが、今回のラジオNIKKEI賞は逃げるのはメイショウカドマツだと分かっているから、当てやすいはずだ。 「決め手勝負では分が悪い馬だからね。後続に脚を使わせる競馬が理想になる」 2006年にタマモサポートでこのレースを勝っている藤岡健調教師はカドマツの特徴を語る。逃げ馬は好走と惨敗が紙一重の傾向にあるが、カドマツはどんな時でも粘りを発揮。同型のゼロスに絡まれて厳しい展開になった2走前の皐月賞(8着)でも、勝ったゴールドシップから0秒8、着差にして4馬身3/4、2着のワールドエースからは0秒4、2馬身しか離されなかった。前走の京都新聞杯も落鉄の不利がありながら5着なら悪くない。 「厳しい展開になっても大バテしないのは力がある証拠。楽に行ければ面白いと思う」 藤岡健師は自信ありげな口ぶりだ。約2カ月とレース間隔はあいたが、栗東のCWコースで20日に行われた1週前追い切りでは5ハロン64秒5、3ハロン38秒0-12秒4をマーク。不良馬場だったことを考慮すれば、反応も上々で、態勢は整ったといえる。 ラジオNIKKEI賞は過去10年で逃げ馬の連対はないが、先手を取った馬でオープン実績があったのは02年のアネモネSを勝った牝馬サンターナズソング(15着)だけ。実力のある逃げ馬が出走すれば、話は違う。今年は前残りの馬場を味方に、メイショウカドマツがゴールまで先頭を譲ることはなさそうだ。