これまで函館記念の大穴を何度も当てて、数々の伝説を作ってきた水戸正晴記者。今年も「オレの庭」という函館に乗り込んで朝から晩まで徹底的に取材して、勝ち馬を導き出します。3回連載の2回目は展開の利が見込めるゼロスに注目。追い切りの動きが良く、陣営のムードもいい。 ※結論は20日に掲載
16日の函館は2歳S、記念の両重賞の追い切り日であり、取材にてんてこ舞いとなった。そんな中、マイネル軍団の総帥、岡田繁幸さんが子息の義広さん(ウインの代表取締役)らスタッフを連れて陣中見舞いにやってきた。牧場関係者が追い切りに駆けつけるのも北海道ならではの光景だ。
岡田さんは来週の札幌でデビューを予定している評判馬マイネルヴォーダン(父カネヒキリ)、米国産ウインエアフォース(父インディアンチャーリー)ほか、2歳Sの有力候補マイネルエスパスの追い切りに鋭い視線を送っていた。
それらの馬がWコースで追い切られる最中に当方のお目当てゼロスも芝コースに登場。こちらとしても視線をどこに向ければ…の思いだったが、しまいの鋭い反応には思わずニヤリとしてしまった。
5ハロン64秒6-11秒9。一杯に叩き出された動きは、まさに“弾ける”というものだったのだ。動きの良さに手綱をとった丸山騎手の口調は滑らか。「気合をつけるために、しまいびっしり叩き出した。いやぁ、良かったね」と笑顔を作った後、「今回は遠慮しない。行かせて(逃げ)もらいます」ときっぱり。