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【皐月賞】リアル極上の切れ味で3馬身先着

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【皐月賞】リアル極上の切れ味で3馬身先着

 牡馬クラシック第1冠「第75回皐月賞」(19日、中山、GI、芝2000メートル)に向けて、3戦2勝の高素質馬リアルスティール(牡3歳、栗東・矢作厩舎)が栗東坂路で文句なしのスパートを決めた。福永祐一騎手の手応えは万全。デビュー2戦目で共同通信杯を制したディープインパクト産駒の切れ者が、1冠奪取へ大きく前進した。

 4F52秒1の好タイムこそ、戴冠間近のサインだ。1冠奪取へ各馬、しのぎを削った栗東TCで最も輝いていたのは、リアルスティールの父ディープインパクト譲りの切れ味だ。

 薄曇りの空模様。福永騎手を背に坂路に姿を現したリアルは、ブリンディスを2馬身追いかけてペースを上げていった。当初は「先週8日のCWコース(6F80秒9)で負荷はかかったので、最終追いはラストを決めるだけ」(矢作調教師)という予定。その狙いどおりに鞍上が道中で手綱を促すことはなかったが、ラスト1Fからのスパートが圧巻だった。

 ユーイチのGOサインを受けると即座に反応して、一気にギアをトップへ。直後、やや内にモタれるシーンはあったが、脚力の違いは歴然。12秒3であっという間にブリンディスをかわすと、最後は3馬身突き放しフィニッシュした。

 ユーイチは「予定より1秒速くなった」と言うが、まったく無理のない手応えのまま予定していた時計を上回るあたり、それが前走からの“上昇”の証しだろう。

 新馬V直後に共同通信杯を制し、前走・フジテレビ賞スプリングSは当然の1番人気となった。その「負けてはいけなかった」(トレーナー)前走でキタサンブラックの抜け出しを許し、最速の切れ味(3F33秒6)を発揮しながらも2着に敗れたのは、6キロの太め残りがあったからだ。

 中3週と間隔が短くなる今回、陣営は太め解消のために一段と攻め馬を強化。その効果は確実に出た。気温が上がってきたこともあり、「14日の時点で502キロ。レースはマイナス6~8キロでいける」とシェイプアップに成功。それが、けさの快走にもつながった。

 万全の態勢で迎える皐月賞ディープインパクト産駒は不思議と勝てずに2着(12年ワールドエース)が最高だが、トレーナーは“初戴冠”にも自信をのぞかせる。「毎回、抜群のスタートを決めているように、リアルは抜群のレースセンスの持ち主。それに今年は馬場改修の効果なのか、中山の馬場も例年みたいには荒れてないからね」

 スプリングSで黒星はついたが、ここで巻き返せば、デビュー2戦目で重賞を制したリアルが“3冠級”であることを改めて証明できる。センス&爆発力を生かせる舞台で、能力全開だ。(夕刊フジ)

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