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桜花賞はあえてスルー。フラワーC馬エンジェルフェイスの藤原英調教師が下したジャッジはいかにも不気味に映る。
常々、「1着以外は興味がない」と言ってはばからず、夢、きれいごととは無縁の現実主義。それだけに同型メジャーエンブレムを筆頭に、実績では遥か先を行く早熟が一挙に集結した1冠目に目もくれなかった理由を、ハッキリとこう言ってのける。
「メンバー的にキャリアがある面々。だいたい(エンジェルの)パフォーマンスは予想できた。それならどの馬も未知な2400メートルのほうが魅力があると思って、ここまで待った」
より可能性の高いフィールドへ。馬券がすべて(当たり前だが)と考えるファンにとって、これほどシンパシーを感じられる調教師もそうはいないのでは?
桜花賞の上位2頭シンハライト、アットザシーサイドにはない関東圏への輸送経験があるのもプッシュできる点。ステップにフラワーCをチョイスした理由は明確で、「オークスを考えて輸送をするレースを選んだ。もちろん、賞金もほしかったわけだが、両方ともモノにできたのは大きい」と、二兎をも得てしまうのだから恐れ入る。
確かにフラワーCからのオークス直行Vはいまだゼロ。ただ、過去に同レースを逃げ切った面々のその後は異様なまでに華々しい。90年ユキノサンライズは中山記念V、08年ブラックエンブレムは秋華賞V、そして、昨年のアルビアーノは直後のNHKマイルCで2着。開花のタイミングこそみな違えど、エンジェルの出世もまず約束されているといっていい。
もちろん、エンジェルが爆発するのは狙い澄ましてきたここ、オークス。厄介なメジャーエンブレムはNHKマイルCに去り、先週のヴィクトリアマイルで大先輩ストレイトガールが連覇を達成。流れまでも引き寄せてしまうのが超一流トレーナーたるゆえんだ。
(夕刊フジ)
★オークスの枠順はこちら 調教タイム&レース前談話も掲載
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