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エルフィンS勝ち以来、2カ月ぶりの実戦でGIの(8)マルセリーナは坂路でトレンドハンターと併走。4ハロン68秒4-49秒0-14秒4とラストを伸ばして、軽快な動きを見せた。いつもならCWでの最終調整が多い松田博厩舎だが、「雨で馬場が悪かったし、ウチの厩舎としては追い切りが少し速かったので、坂路でやった」と松田博調教師は説明。「ハミ掛かりが悪くて反応の遅いところがあったが、最近のけいこを見ると心配ない。エンジンさえかかればレーヴディソールと同じぐらいの脚を使える」と、骨折でリタイアした同じ厩舎の2歳女王と同等の期待を寄せる。「アンカツ(安藤勝騎手)には4コーナーで外を回さずにジッとしていてくれと言うつもり。それでも十分に間に合うから」と、松田博師はマルセリーナの能力に全幅の信頼を寄せて送り出す。
阪神JF2着でクイーンC勝ちの(16)ホエールキャプチャは角馬場で運動してから坂路66秒3。15-15の調整だが、落ち着きがあるのが好印象だった。日高調教助手は「無事に最終調整ができました。いつもどおりで変わりなく、いい状態です」と安堵の表情。前走は馬場入りで若干、うるさいところを見せたので、今回は2人引きで馬場入りする予定だが、「ベテランの蛯名厩務員さんですからね。その辺もしっかり心得ているし、心強いです」と万全の態勢で本番に臨む。10月で定年を迎える蛯名厩務員は「何なんだろう、ってぐらい馬は元気。物怖じしないから、馬込みも気にしないし、道悪になっても苦にしないよ」と笑顔。70年に担当のタマミで桜花賞を制しており「あの時も栗東に滞在したけど、まだ工事中で馬が少なく、寂しがるから松山(吉三郎元調教師)さんの馬(スターウイング)の隣の馬房に入れてね。その2頭でワンツーだったんだ」と昔を懐かしみながらも、41年前の再現を狙っているようだった。
チューリップ賞2着の(13)ライステラスは坂路をゆっくりと上がった。落ち着きがあって行きたがるそぶりも見せなかったが、最後の1ハロンはスーッと加速。4ハロン75秒0、ラスト1ハロンは13秒9と軽快だった。小山調教助手は「ちょうどいい感じですね。ゲートに入るまでは気が抜けませんが、ここまで予定どおりに無事に調整ができました。今までで一番いい状態になったと思います」と自信を見せていた。最後は馬上から、馬頭観音に一礼。「毎日、きょうも無事に調教できました、とお礼をするんです」と小山助手は万全の仕上がりで送り出せることを感謝していた。
初芝、初重賞だったフラワーCを完勝した(17)トレンドハンターはマルセリーナと併走して坂路67秒1-48秒7-14秒4。大きなフットワークで駆け上がっていた。松田博調教師は「状態は問題ない。もともと芝は走ると思っていたし、この馬の心配は初めてのマイルだけだな。岩田(康騎手)がどんな乗り方するのか楽しみだ」と、ジョッキーの手腕に期待していた。
前哨戦のフィリーズレビューを制し、大竹厩舎に初重賞Vをもらたした(15)フレンチカクタスはポリトラックで軽めのキャンター。バネを感じる走りで状態の良さが伝わってきた。大竹調教師は「順調ですね。当日になってテンションが上がったりするので、アテにはできませんが、現時点で落ち着いているのはいいと思います」と本番を楽しみにしている様子だった。父はダービー2勝などGI(級)8勝の元騎手・大崎昭一さんで、これが09年の開業からGI初出走となるトレーナーは「意外と平静な気持ちでGIを迎えられていますね。父も大レースの前でも平然としていましたし、それだからこそ、あれだけ勝負強かったんでしょう」と、父に続く大舞台での勝利を願っていた。
ダンスインザムード(04年)との母子桜花賞制覇に挑む(4)ダンスファンタジアは、レース前日に阪神競馬場入り。レースではときおり気性の若さをみせるが、長距離輸送の後でも落ち着きがあり、ムードは上々だ。「輸送は予定通りでした。馬運車でもカイバを全部食べましたし、あとはレースまで落ち着いていてくれれば」。阪神JF時はイレ込んで9着に敗れており、このままの精神状態を保ってくれることを渡辺調教厩務員は願っていた。
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