阪神大賞典が17日、阪神競馬場で11頭によって争われ、戸崎騎乗で1番人気のシャケトラが、能力の違いを見せつけて5馬身差の圧勝。長期休養明けから重賞連勝を飾り、次は優先出走権を得た天皇賞・春(4月28日、京都、GI、芝3200メートル)でビッグタイトルを狙う。2着は6番人気の
カフジプリンス、3着は10番人気の
ロードヴァンドールが入った。
距離の壁をあっさり乗り越えた。シャケトラが圧巻のパフォーマンスで重賞連勝。曇天の空とは対照的に、戸崎騎手は晴れやかな表情で振り返った。
「強かったです!! 追い切りに乗っていい馬だと感じていたので、自信を持って乗りました。十分に折り合いがついて、追ってからもしっかりしていました」
1000メートル通過が59秒3とよどみない流れの前半は後方待機。だが、2周目に入ってペースが落ちると、向こう正面で一気に2番手まで進出する。楽な手応えで直線に向いて早々と先頭に立ち、脚があがったライバルたちを尻目に5馬身差をつけてゴール板を駆け抜けた。左第3中手骨骨折による1年1カ月の休養明けだった前走の
AJCCに続いてGII戦を連勝。これまで長距離戦は2017年の天皇賞・春で9着と実績がなかったが、雌伏のときを経て長丁場にも対応できる力をつけていることを示した。
これがJRA通算700勝のメモリアルVとなった角居調教師は、収穫十分の好内容に目を細めた。「距離は未知数でしたが、しっかり我慢して上手に走ってくれた。いい形で天皇賞に向かうことを目標にここを使ったので、次はそうなると思います」と力を込めた。
1998年に
メジロブライト、99年には
スペシャルウィークが
AJCC、
阪神大賞典を連勝し、天皇賞・春を優勝。“Vローテ”を踏襲する6歳馬への楽しみは膨らむばかりで、戸崎騎手は「距離は大丈夫でした。天皇賞でもと思います」と結んだ。
風雨が強まった表彰式が終わると、ターフには鮮やかな虹がかかった。まるで苦難を乗り越えたシャケトラの輝かしい未来を予見するように--。(川端亮平)
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シャケトラ 父
マンハッタンカフェ、母サマーハ、母の父
シングスピール。青鹿毛の牡6歳。栗東・
角居勝彦厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績は13戦6勝。獲得賞金2億7512万5000円。重賞は2017年GII
日経賞、19年GII
AJCCに次いで3勝目。
阪神大賞典は
角居勝彦調教師、
戸崎圭太騎手ともに初勝利。馬名は「イタリアの幻のデザートワイン」