【中央通算勝利数】 グレード導入以降、中央通算勝利数(交流戦を含む地方競馬・海外競馬は除く)、1位はテイエムオペラオーの14勝。 ※2024年12月時点 「1位でも14勝か」と思ったが、勝ち星を重ねるごとにクラスが上がる競馬の世界だと、勝ち続けることは容易でなく、現役でいられる期間も短いとなれば、妥当な線かもしれない。 グレード制導入前も少し見ると、スピードシンボリの17勝、タケシバオーの16勝、シンザンの15勝などある。 テイエムオペラオーも偉大な先輩たちに負けず劣らずの名馬で、14勝のうちG1を7勝し、2000年は8戦8勝の独断場だった。 その年のジャパンCの勝利で歴代獲得賞金トップに立つと、この記録は2018年のキタサンブラックまで破られなかった。 それに次ぐ13勝のゴールドシップは少し意外だ。2012年のクラシックは皐月賞・菊花賞の二冠をモノにし、G1では計6勝を挙げる。 強さで言えば何ら不思議はないが、〝ヤンチャ〟〝暴れん坊〟〝自由気まま〟などの性格が〝ムラ駆け〟と結びつく。 騎乗した横山典弘騎手が、走ってくれるよう、能力を出し切ってくるよう、「お願いする立場ですから」と口にしたのも頷ける。 通算28戦[13-3-2-10]で、2着3着が少なく、勝つか負けるのかレコードでも、勝ち鞍もしっかり積み重ねていた。 もう1頭、13勝にシンボリルドルフがいる。グレード制導入時期をまたいだ現役生活だった。ゴールドシップと対照的に、通算16戦[13-1-1-1]と優等生の成績。 唯一の着外はラストランの海外競馬で喫した。冒頭に挙げた条件のなか、12勝以上を挙げた馬で、国内戦に着外がないのはシンボリルドルフしかいない。 12勝がなかなか多く、キタサンブラック、ナリタブライアン、オグリキャップ、ダイナレター、カンパニー、キンシャサノキセキ、ブロードアピール、タップダンスシチー、メジロマックイーン、エムアイブランなど。 超スターホースに混じり、ダイナレターやエムアイブランの名もある。エムアイブランに関してはG2以上に勝利がない。ただ、2頭とも8歳まで走り、ベテランの域に入っても、こつこつと勝ち鞍を挙げた。 ほかでも、キンシャサノキセキは7歳の高松宮記念でG1初勝利。カンパニーは8歳の天皇賞(秋)でG1初勝利を挙げ、前後の毎日王冠とマイルCSも勝ち、3連勝で現役を退いた。総じて頑丈で息の長い馬が多い。 テイエムオペラオー、シンボリルドルフはじめ、並んだ馬名から少々歴史を感じる。昨今の前哨戦を使わないローテだと、勝ち鞍を重ねるのは難しいかもしれない。比較的新しいゴールドシップやキタサンブラックは例外的な存在と言える。 テイエムオペラオーは通算獲得賞金で首位を譲ったが、通算勝利数はしばらく防衛しつづけそうだ。