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(1)競走成績
日本とUAEで34戦15勝。フェブラリーS、ジャパンCダートという中央のダートGIに加えて、JBCクラシック3連覇(2007~09年)など地方を舞台に行われた交流GIを7勝。それまで多くの馬がGI7勝の壁を打ち破れずにいたが、これを9勝にまで伸ばした。デビュー直後には芝のGIIIラジオたんぱ杯2歳Sにも優勝(ローゼンクロイツ、アドマイヤジャパンに先着)している。
(2)血統
父はわずか3世代を残して早世したが、その中から菊花賞馬ソングオブウインドやジャパンCダート勝ち馬アロンダイトなどを出し、潜在能力の高さを示した。母系も一流で、半兄サカラート、半弟ソリタリーキング、キングスエンブレムはいずれもダート重賞の勝ち馬。一族にはダイワメジャー、ダイワスカーレットといったGI馬も出ている。自身とその兄弟はダート巧者だが、芝にも十分対応できる血統背景の持ち主だ。
(3)適性診断
エルコンドルパサー×サンデーサイレンス×ノーザンテーストという配合からも分かるように、あらゆる条件に対応できそうな万能タイプ。配合される牝馬の血統に応じて、さまざまな産駒が出そうだ。特筆できるのは成長力だろう。確実な活躍と将来的な伸びしろを見込めるだけに、初年度から人気を集めたのもうなずける。飛び抜けた大物が出る可能性もあるだろうが、中央・地方を問わず堅実なタイプが多く出そうだ。
(4)初年度産駒
初年度から2年続けて200頭以上の繁殖牝馬が集まった(1年目216頭、2年目206頭)ことで分かるように、馬産地の期待はきわめて大きい。ダートへの対応力があり、芝もこなせる距離不問の万能型。エルコンドルパサーの後継種牡馬としても、サイアーラインを引き継ぐ使命がある。初年度産駒の中には、ニホンピロアワーズやオレハマッテルゼ、ボンネビルレコードといったGI馬を兄にもつ馬たちがスタンバイ。すでに入厩している馬もおり、早期の活躍も見込めそうだ。
今年の新種牡馬はハービンジャーとエンパイアメーカーという2頭の輸入種牡馬が人気を集め、近年では珍しく内国産の新種牡馬が目立たない。昨年はヨハネスブルグがファーストシーズンサイアーのリーディングとなり、2004年のフレンチデピュティ以来、9年ぶりに輸入種牡馬が首位に輝いた。今年も2頭のビッグネームが控えているだけに楽な戦いではないが、比較的仕上がりも早そうなヴァーミリアンの産駒には、内国産馬の天下奪回という期待がかかっている。
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