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鈴木和幸のGI全馬追い切り診断 ~朝日杯フューチュリティステークス~

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鈴木和幸のGI全馬追い切り診断 ~朝日杯フューチュリティステークス

●第63回朝日杯フューチュリティステークス(GI) 鈴木和幸の最終追い切り診断

アルフレード
     
12月14日 美浦坂        
51秒9-37秒6-24秒3-11秒7 G仕掛
    
新馬→きんもくせい特別を連勝したあとも順調そのもので、11月30日にポリトラック5F64秒7-37秒0、この8日にウッド5F67秒2-38秒6をともに併せ馬でマークしている。総仕上げの今週は坂路で上がり中心、G前で仕掛けただけだがそれでも別掲の時計となり併走先着し、ラスト1Fは11秒7の速さだった。いかにも決め手のありそうなバネのあるフットワーク、低い重心が印象的で、一分のスキなくパーフェクトに仕上がった。 

 
クラレント

12月14日 栗東坂        
53秒1-39秒2-26秒6-13秒8 一杯追
    
いっぱいに追って余裕残しの相手に2馬身遅れ、時計もご覧のようにしまいがかかり、前走の大敗ショックがまだ残っているよう。能力的には非凡なものを感じるが、体重増のわりに体もこじんまりと見え、今回の巻き返しには?がつく。

 
サドンストーム

12月14日 栗東坂        
52秒7-38秒4-25秒3-12秒7 一杯追
    
11月の前半まではプール調整で京王杯2歳S2着の疲れを取り、後半からは追い日ごとに時計をだしている。重心を沈めたピッチ走法がなんとも小気味いい。今週も坂路で別掲の時計だが、また後肢の蹴りが強く、たくましくなった印象。前走で一挙16キロも体重が増えていたが、これはすべて成長分。そういい切れるほど馬体、とりわけトモの筋肉の発達が目を引く。

 
ショウナンラムジ

12月14日 栗東W 
95秒6-65秒3-51秒2-38秒3-12秒7 一杯追
    
この馬も抽選クリアのラッキー組だが、すでに4戦を経験、初勝利は今回と同じ1600メートルで、これが1分33秒4のレコード勝ちというのだから、単なる1勝馬と考えるわけにはいかない。長め7Fから併せ馬を敢行したこと一つを取り上げてもなにやら不気味さが漂う。まだ粗削りで安定性には欠けるものの、一発の魅力を秘めていることは確か、追いかける覚悟で一考されたい。

 
ジョウノバッカス

12月14日 栗東坂         
計 不ー計 不ー26秒0-13秒6 一杯追
    
もっか2連勝中、それにしては今週の追い切りでは併走相手に3馬身近くも遅れてしまい、なんともだらしがなかった。ただし、この馬は調教より実戦タイプ、調教で目立つ馬ではないから心配無用。7、11日に坂路53秒台がでているので、今週の推定52秒台とあわせ量は十分、これでいい。あとはダートと重馬場でのVだったから、良馬場のスピード競馬に対応できるかどうかだろう。

 
スノードン

12月14日 栗東坂         
53秒2-38秒8-25秒7-12秒7 一杯追
    
萩Sで上がり33秒9、人気薄(8頭立て8番人気)をあざ笑うかのような圧巻の差し切りだった。あの一戦だけでの過大評価は危険だが、中間に坂路52秒台をだすなど、調子はすごくいい。今週も坂路で単走ながら左ステッキが3発も入る猛ゲイコ、最後までフットワークを乱さず、しっかりと動いた。こと体調に関しては太鼓判を押せる。

 
ダローネガ

12月14日 栗東坂         
53秒2-39秒3-26秒1-12秒8 一杯追    
    
デイリー杯はスタートの出遅れが大きく響いた。負けて強しの内容だったから評価を下げることはない。中間もポリトラック、坂路併用で時計4本と順調にきている。ただし、最終追い切りに関しては一応の時計はでたもののG前は余力がなくなり、頭も上がりかげんと決してほめられたものではなかった。2ヶ月の間隔をとったにしては馬体も薄く見えるし、本当によくなるのは来年以降になるのではないか。

 
トウケイヘイロー

12月14日 栗東W 
79秒2-63秒6-49秒2-36秒9-12秒7 一杯追
    
前走レコード勝ちの反動もなく、中間、ウッドの6Fから2本の時計をだしている。今週もウッドの6Fからの併せ馬。テンの1Fこそ15秒6に控えたが、以後は14秒4、12秒3とピッチを速め、直線は実戦さながらの追い比べ。ゴールでは後方から追いかけたこともあって半馬身遅れたが、調教駆けしない馬が別掲の時計ならいうことなし、さらに調子をあげたと判断していいだろう。

 
ニンジャ

栗東角馬場調整 連闘のため
    
角馬場で軽く回っただけなので好、不調はつかみづらい。でも。たとえ生涯一度のレースでもこの幼い時期に連闘までさせて出走させる必要がどこにあるのか。私は大反対、将来伸びる芽を摘み取ることにならなければいいが…

 
ネオヴァンクル

12月14日 栗東坂         
52秒0-38秒5-計 不ー13秒1 一杯追
    
坂路での併せ馬、追いだすまでは互角に動いたが、いざ追いだされてからはそこまでの手ごたえほどの伸びはなく、馬なりの相手の後れを取ってしまった。体もまだ立派過ぎるし、すぐに頭をあげる気性も問題、さらには初距離も。長い目で見てやりたい。

 
ハクサンムーン

12月14日 栗東坂        
52秒8-38秒7-25秒5-12秒7 強め
    
1戦1勝、うまいこと抽選をクリアした。この強運だけでは勝ち負けとまではいくまいが、今週の追い切りを見ると、しぶとさあり、力強さありでかなりの奥深さを感じさせる。今回はともかく、近い将来必ず台頭してくる馬として記憶にとどめておこう。

 
ヒシワイルド

12月14日 栗東坂         
56秒6-40秒9-26秒3-12秒5 G強め
    
坂路で折り合いに専念、G前だけ気合いを入れた。この反応がよかったのは前半の折り合いがよかったからこそ。この点は評価していいが、なにせご覧の遅いタイム、前走後の変わり身とまではいかず、このメンバーでどこまで戦えるかは疑問。 

 
マイネルロブスト

12月14日 美浦W         
69秒3-53秒8-39秒7-12秒9 馬なり
    
やや重(ウッド)馬場を気にしたか、途中、つんのめるようにバランスを崩すシーンもあったが、動き全体は力強く合格点がやれる。しかし、前走9着からの変わり身となるとどうだろう。特別によくなったとは思わない。少なくともデビューから2連勝したころのデキにはない。

 
マコトリヴァーサル

12月14日 栗東坂        
53秒6-計 不ー26秒0-13秒2 一杯追
    
前に他厩舎の併せ馬がいたので少々追いづらかったかもしれない。しかし、それにしても追われての伸びがなく、馬なりの相手にいっぱいに追って2馬身遅れ。全体時計も速いわけではなく、この点に不満が残る。

 
レオアクティブ

12月14日 美浦P         
70秒5-54秒8-39秒4-12秒2 馬なり
    
先週7日にポリトラック5F63秒4-37秒1をマークして、前走で一挙14キロ減の不安を一掃したものの、今週の動きには?マークがつく。ひとことでいうと走る姿勢が高すぎ、スピード感が伝わってこないのだ。ラスト1Fを12秒2でまとめたとはいっても、この遅い全体時計では11秒台がでなければおかしく、仕上げは5F65秒9-37秒6-12秒1をマークしていた前走時のほうがずっとよかったといったらいいすぎか。

 
ローレルブレット

12月14日 栗東坂      
52秒4-37秒9-25秒2-12秒7 馬なり
    
12月4日に使ったばかり、中1週の今回は追い切り1本の仕上げになる。その追い切りは坂路で馬なりに終始、それでこの時計だから悪くない。とくに目を引いたのは弾むような軽快さで、前走を勝ったときより時計そのものも速い。勝ち上がるまでに4戦を要したが、そのVを機に急激に力をつけ、グングン調子をあげている。


鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

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