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鈴木和幸のGI全馬調教診断 ~マイルCS~

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●第27回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)全馬追い切り診断

アブソリュート      
11月17日 美浦P 67秒6-52秒3-38秒2-11秒8 馬なり

馬なりのままとはいえ、併走馬を突き放せなかった点に不満が残る。
そう、決して悪い動きではないのだが、無難に仕上がった程度でアピールするものはなかったということ。

 
エーシンフォワード 
11月17日 栗東坂 52秒1-37秒5-24秒5-12秒4 強め

時計的には合格だが、前走、休み明けで減っていた体が戻り切っていないのだろう、
やけにすっきり、すっきりしすぎているように見える。
テンションも高めで、心配材料ばかり。

 
オウケンサクラ     
11月17日 栗東坂 53秒2-39秒0-25秒9-12秒8 馬なり
    
牝馬には珍しい叩き良化型、タフな馬だが、さすがに天皇賞4着激走はこたえたようだ。
先週につづいて坂路4F53秒台はでたものの、前走前と比べると体の張りが物足りなくなり、
動きにも硬さが出てきたように思う。
前走と同じ状態でレースを迎えるのは難しい。

 
ガルボ          
11月17日 美浦P 70秒4-55秒6-41秒7-13秒7 馬なり
    
先週にポリトラック5F63秒台をいっぱいにやってはいるが、
この大一番の最終追い切りがまるで牝馬のようなこの遅さでは。
追い切り後の計量で480キロあっても中身が伴っているかどうか、
疑問が残る。

 
キョウエイストーム   
11月17日 美浦W 67秒6-51秒9-38秒1-13秒6 一杯追
    
馬なりの相手にいっぱいに追って併入に持ち込むのがやっとやっと。
ラスト1F13秒6と時計もかかってしまった。
相手大幅強化のこのレースでこんな仕上がり状態では、参加するだけだろう。

 
キンシャサノキセキ  
11月17日 美浦P 64秒9-50秒2-36秒6-11秒8 馬なり
    
先週にポリトラック5F62秒4-35秒2をいっぱいに追ってマーク、
ラスト1Fを11秒台でまとめ、元気あふれる動き。
今週はムーアが手綱を取り、やはり5Fから。
注目された鞍上との折り合いもまったく問題なく、流れるように軽快なフットワーク、
直線は先行していた馬を瞬時にして捕らえ、追ったところなしで3馬身の先着。
こんなにも気分よさそうに真一文字に走ったキンシャサは久しぶりだし、
これまでの4F追いから5F追いに変えてのこの内容だから、
すでにムーアは手の内に入れているといっていい。

 
ゴールスキー      
11月17日 栗東P 78秒5-62秒3-48秒7-36秒4-11秒4 G一杯
    
テンの1Fこそセーブしたが、5Fからは13秒6、12秒33と1Fごとにペースをあげ、
乗り手を振りほどかんばかりのいきっぷり。
G前いっぱいに追われると待ってましたとばかりにストライドを伸ばし、ラスト1F11秒4と弾けた。
以前の華奢さがウソのように筋肉が盛り上がり、気迫もすごいというよりすさまじいばかり。
3連勝後さらにパワーアップし、がぜん侮れない存在に。

 
サプレザ         
11月18日 京都D 66秒0-51秒5-38秒0-13秒2 馬なり         
    
京都競馬場のダートコースで馬なり調整。
このため時計は速くないが、バネを感じさせる軽快なフットワークが目を引いた。
ラスト1Fの時計が遅いのは抑えるというより、止めにかかったしまったからで、この点の心配は無用。
毛づやのよさからも体調良しは間違いなく、昨年以上と判断してもよさそうだ。

 
ショウワモダン      
11月17日 美浦W 69秒8-54秒3-39秒6-13秒2 馬なり
 
GI馬が10月に連闘を含めた異例の3回使い、この強行軍は気に入らないが、
幸いにもこの中間は疲れもとれてこの馬本来の活気が戻ってきた。
すでに体はできているので馬なりに終始だが、少しでも追えば併走の内を突き放したと思われる脚勢。
前走の天皇賞は直線で伸びかかったところをまともに不利をくらい、
その時点で追うのをやめたための16着だから基準外、あまり軽く見ないほうがいい。

 
・ジヨーカプチーノ     
11月18日 栗東坂 53秒6-38秒4-25秒1-12秒7 G一杯
    
頭が高く、左右にブレかげんの走りだったが、元気のよさは伝わってきた。
芦毛の馬体が黒ずんで見えたことからも、1年5ヶ月ぶりの前走の疲労はとれている。
ただ、それじゃあひとたたきされて良化したのかといえば、とくによくなったようには見えない。
相変わらず坂路でしかやれないということは、まだ脚元にあまり負担をかけられないということ。
前走から横バイとみる。

 
スマイルジャック     
11月17日 美浦W 83秒5-67秒9-53秒2-38秒8-12秒7 一杯追
    
まだうなるほどの行き脚とまではいかないが、
先行2頭を並ぶ間もなく交わし、一杯に追われると力強く伸びた。
ゴール板を過ぎても追っており、
5F72秒前後のまったくの上がり中心だった前回とは仕上げの意欲からして違っている。
これだけの動きと時計がでればガラリ一変があるかも。
いずれにしてもこの秋一番のデキになった。      

 
ダノンヨーヨー      
11月17日 栗東坂 51秒5-38秒5-25秒4-12秒7 強め
     
とにかく動きがダイナミックだ。
重心がまったくぶれないし、目いっぱいに追わないで簡単にこの速い時計がでてしまう。
中間の乗り込みは十分すぎるほどだし、以前と比べて体質強化も保証できる。
4連勝の勢いは止まるどころか、
フワッとすることもなくなってさらなるランクアップを見せつけられた思い。
もはやこれ以上は望めまい。

 
テイエムオーロラ 
11月17日 栗東坂 54秒0-38秒3-24秒3-12秒0 馬なり
    
上がり中心とはいうものの、追ったところなしでの2F24秒3、1F12秒0は文句なしに速い。
少しでも手を動かせば11秒台が出たことは間違いなく、
前2連勝がなるほどとうなづけるすばらしい手ごたえだった。
回転の速いフットワークも目を見張るばかり、昨年までとはまさに別馬である。

 
トゥザグローリー     
11月17日 栗東P 61秒0-47秒4-35秒9-12秒2 一杯追       
    
ファイングレインを見るまでもなく、ポリトラックは速い時計が出る。
だから、この馬の時計に驚くことはない。
動きはどちらかというと首を投げ出したようにして走るのであまり鋭さは伝わってこない。
徐々に全身を使えるようになって、一歩ずつ完成に近づいていることは確かだが、
少なくても現時点では1マイルのスピードと決め手を要求されるレースに向いたフォームの馬ではない。

 
ファイングレイン     
11月18日 栗東P 60秒0-47秒6-36秒1-11秒7 一杯追
    
ポリトラックで別掲も猛時計をマークしたものの、テンから掛かり通しで、直線は余力なし。
時計の速さだけで復調気配と決めつけるわけにはいかない。
いくらか上向き程度の評価でいいだろう。

 
マイネルファルケ    
11月17日 美浦W 85秒0-68秒7-53秒6-39秒1-12秒8 仕掛け
    
いっぱいに追ったわけではないが、それでもこの時計では物足りない。
好調時は気合を表に出し、上がり3F37、38秒台が楽に出ていた馬だからだ。
まだまだ復調途上。

 
ライブコンサート     
11月17日 栗東W 65秒6-50秒6-37秒3-12秒0 G一杯
    
坂路追いからコース追いにしたのが大正解、前走の2着につながった。
何よりも広いところでのびのびと走っているのがいい。
体も余分な肉がとれて引き締まり、今週も追い出されると一直線の伸び、
前走以上といってもいいくらいだ。

 
ワイルドラズベリー   
11月17日 栗東W 81秒1-65秒7-51秒8-38秒2-12秒3 一杯追
    
秋華賞の疲れもすでにとれ、中間2本の時計。
今週もウッドの6Fからいっぱいに追われた。
これだけやれる=好調の証しで、
内容的にもGOサインがでると重心を沈めて春までとは、鋭さ、力強さが違う。
牡馬の一線級との力関係はともかく、体調のよさでは一歩もヒケはとらない。



鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

今もパドック党として最前線で活躍中。

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