食欲の秋…。野菜も魚も今ほど美味しい素材が店頭に並ぶ時期はないし、ダイエットなど考えるだけ無駄なくらい秋はあれこれ食べてしまう(笑)。今日は懺悔を兼ねて、ひとつ食の話でもしよう。 魚には白身と赤身があるが皆さんはその区別がつくだろうか。マグロが赤身で鯛やヒラメが白身なのは分かるが、サバやアジはどうだろう。焼きサバもアジフライも身は白いが、実は両方とも赤身の魚。モノの本によれば魚が赤身に分類されるか白身に分類されるかは体色にはよらず、「魚の筋肉や血液に含まれる色素たんぱく質の量」によるのだとか。 秋を代表する魚といえば鮭だが、ならば鮭は赤身か白身か?正解はその中間のオレンジ身。…というのは勿論嘘で(笑)、鮭は白身魚。痛風へのストレートメニュー“鮭の親子丼”など、この時期食べられる最高のグルメの一つだが、この鮭にはちょっと特別なステイタスの個体が存在するのを皆さんはご存知だろうか。 本来ロシアの河川に遡上するはずの個体が回遊中に日本領海で5月から7月に捕まる“トキシラズ”も有名だが、それではなく、ちょうど今の時期水揚げされる鮭で生後2~3年の“鮭児(けいじ)”と呼ばれるものだ。 年間捕獲数はわずかに500匹。10000匹に1匹とも言われ、一匹10万円前後で取引される。無論私は食べたことがないし、これから先も食べられまいが(笑)食べたという人に聞けば、その身は柔らかくトロに似て、口一杯に上品で香ばしい脂の、何とも言えない香りが広がるという。一度で良いから食べてみたいものだ。 さて、鮭児は生後2~3年の幻の鮭だが、生後2~3年と言えば競走馬デビューの年。こと3歳は話題の多い年齢で今週日曜東日本エリアのメイン競走ジャパンカップにも3歳馬が出走する。今週の金言を紹介しよう。 曰く「ジャパンカップは3歳牝馬を買え」。 競馬というスポーツは総じて牝馬に甘い。古馬は58kgを背負うだけでもハンデなのに3歳牡馬は56kg。更に牝馬は2kg減となればその差は4kgで強い3歳牝馬にとってこのアドバンテージはあまりに大きい。 歴史を遡ってもアーモンドアイ、カレンブーケドール、デアリングタクトなど、実力ある3歳牝馬が軽量を味方に好走した例は非常に多く、ジャパンカップ自体3歳牝馬のための祭典ではないかと疑いたくなるほどだ。 リバティアイランドは3歳牝馬にして3冠馬。イクイノックスは確かに強いが、盤石かと問われれば、宝塚記念でスルーセブンシーズに躱されかけた様に隙が一切ないわけでもない。しかも当時の斤量差は2kgだが今回リバティとの差は4kg。両馬の間にそこまで力差があるとも思えず、ここは裸同然の3歳牝馬から入ってみたい。 それにしても鮭児、どんな味がするのだろうか。頭の中で想像してみる。“少し早い”タイミングで食べるのが美味い…少し早いタイミングで…。頭に思い浮かんだのは、お湯を注いで2分30秒で食べるカップ麺。ダメだこりゃ…(笑)。