第58回
札幌2歳ステークス(GⅢ、芝1800メートル)が2日、札幌競馬場で10頭によって争われ、
横山武史騎手(24)=美浦・
鈴木伸尋厩舎=とコンビを組んだ3番人気
セットアップが好スタートから逃げ切って4馬身差の完勝。重賞初制覇を飾った。2着には
横山典弘騎手(55)=美浦・フリー=の4番人気
パワーホールが入り、JRA重賞では初の親子騎手ワンツー決着となった。
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雨上がりの日差しに照らされて、
セットアップが圧巻の逃走劇を披露。横山武騎手はゴールの瞬間、左拳を握って喜びを爆発させた。
「馬場が結構悪かったけど、ダートもこなせそうな走りをしているので内に行ってみようと。想像以上に強かったです」
抜群のスタートで先手を切り、1000メートル通過1分2秒1とゆったり運ぶと、残り4ハロンからロングスパート。父・典弘騎手の
パワーホールに4馬身差をつけ、グレード制導入後では初となる重賞での親子ワンツーを勝利で飾った。
横山武騎手と鹿戸厩舎のコンビでは、
エフフォーリア(GⅠ・3勝)以来の重賞制覇。鞍上は「僕も厩舎も士気が上がる。これからもこの子の良さを引き出す騎乗ができれば」と力を込めた。
今後は放牧を挟んで、朝日杯フューチュリティS(12月17日、阪神、GⅠ、芝1600メートル)か、
ホープフルS(同28日、中山、GⅠ、芝2000メートル)に直行の予定。北の大地で勲章を手にした
セットアップが、暮れの大舞台へと歩みを進める。(綿越亮介)
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セットアップ 父デクラレーションオブウォー、母スリーアロー、母の父アルデバランⅡ。青鹿毛の牡2歳。美浦・
鹿戸雄一厩舎所属。北海道新ひだか町・フジワラフアームの生産馬。馬主は嶋田賢氏。戦績3戦2勝。獲得賞金3976万4000円。重賞は初勝利。
札幌2歳Sは
横山武史騎手、
鹿戸雄一調教師ともに初勝利。馬名は「開始する、計画する」。
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鹿戸雄一調教師…JRA重賞は今年の
東京新聞杯(
ウインカーネリアン)以来で通算14勝目。
札幌2歳Sは騎手時代の1998年にマイネルプラチナムで制している(当時は札幌3歳S)。
★デクラレーションオブウォー産駒…
ファルコンS(
タマモブラックタイ)に続いてJRA重賞2勝目。
札幌記念でも
トップナイフが2着と好走した。