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1週間の密着取材で勝ち馬を探り出すGI企画『東西現場記者走る』。安田記念を担当する東京サンスポの藤沢三毅記者(30)は連載2日目、リアルスティールに注目した。昨年のクラシック戦線では2冠馬ドゥラメンテなどと激戦を繰り広げ、今春のドバイターフで念願のGIタイトルを獲得。古馬となって力をつけており、初めてのマイル挑戦でも陣営は自信を持っている。
雨が降って少し肌寒かった前日とは一転し、密着取材2日目となった31日の栗東トレセンは晴天で、気温はグングン上昇。夏を感じさせる陽気だった。最強マイラーのモーリスを負かす可能性がある馬を探すことに焦点を置いた今回の連載。この日のターゲットはリアルスティールだ。
前走のドバイターフでGI初制覇。ドバイデューティフリーの名称だった頃を含めて日本馬として3頭目の快挙で、2007年アドマイヤムーンは宝塚記念、14年ジャスタウェイは安田記念と、先輩の2頭はいずれも帰国して、同年の春にGIを勝っている。今年の覇者にも期待が高まる。
帰国初戦として安田記念と宝塚記念を視野に入れていたが、舞台適性を考慮して安田記念を選択した。マイルは初めてでも、陣営に不安はない。
担当の柿崎助手が自信を持っているのは「ワンターンの競馬で3戦3勝」という点。ワンターン(コーナーが2回のコース)ではドバイターフの他に、デビュー戦、ドゥラメンテを破った共同通信杯と負け知らずだ。
「(1つ上の全兄)ラングレーはマイルで(準オープン、オープン特別と)連勝していますし、マイルが初めてということは特に意識していません」と柿崎助手。「先週(25日)に乗った福永騎手も『マイルでもいける体形をしている』と言ってくれました」と鞍上からもお墨付きを得た。
これまでの9戦は海外を含めて5つの競馬場に出走。すべてのコースで連対し、その距離も1800メートル~3000メートルと幅広い。「獣医さんも『心臓が強い』と言ってくれていますし、どんなレースでも安定して走ってくれるのが強みです」
現時点で出走を予定している13頭中、唯一の4歳馬で、未知の魅力にあふれている。「以前よりトモ(後肢)の筋肉が厚くなった感じがしますね。来年までにもう1段階、成長してくれると思っています」と愛馬にさらなる上がり目を感じている。
モーリスとは初対戦。「強い」と認めつつも、「相手のことはあまり意識していません」と柿崎助手。それでも海外GI馬同士の対決に「こういう馬を担当できるのは幸せ。今回も楽しみです」と力をこめた。マイルの頂上決戦でも好勝負できる手応えはつかんでいる。
絶対王者の快進撃を止められるとすれば、同じくワールドクラスの実力を持ったリアルスティールなのかもしれない。
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