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今年の3歳最高峰レース・日本ダービーは近年になく「狭き門」だ。2400万円の賞金がある重賞馬アントニオバローズでさえ“当落スレスレ”だ。今週はダービーに関連のあるレースが東西で組まれているが、バローズを筆頭に何としても送り込みたい陣営は、トライアルでの確実な権利獲得や賞金加算などを狙って管理馬を出走させる。
実力馬2頭がダービー出走への岐路に立たされている。
過去5年のダービー出走のボーダーラインは04年が2000万円、05年が1350万円、06年が1750万円で抽選、07年が2000万円、08年が2100万円。例年ならシンザン記念を勝って2400万円の賞金があるアントニオバローズ(栗・武田、牡)は5日現在、出走圏内だが、立場は微妙。賞金上位馬にNHKマイルC出走予定のサンカルロもいるが、トライアルのプリンシパルS(2着以内)、京都新聞杯、NHKマイルCの結果次第ではアントニオは出走できない。若葉Sを勝ち、皐月賞5着のベストメンバー(栗・宮本、牡)は1850万円で現段階18番目とさらに厳しい。両馬とも今週のレースで結果が求められる。
バローズの武田調教師は「京都新聞杯2着でも賞金は大丈夫だが、重賞で相手が強いからね。少しでも(ダービー出走権を得られる)確率の高い方へ。東京を使うのもいい経験になるしね」と、2着でOKのプリンシパルS出走に傾いている。ただ、「最終的にはメンバーなどを見て決めたい」とNHKマイルCを含めて思案中だ。
右肩跛行で弥生賞の出走を取り消し、シンザン記念からのぶっつけになった皐月賞は9着も、3~4コーナーで上昇して見せ場十分の内容。「皐月賞は一頓挫あったのがこたえたと思う。中間に休ませた分、少し辛かったね。素軽さが出て集中して走れるようになっていて、前走より状態はいい。勝って(ダービーへ)行くのがベスト」と武田師は夢を馳せて、今週の一戦に送り出す。
ベストメンバーはプリンシパルSに登録せず、京都新聞杯一本。宮本調教師は「東京までの輸送はしんどいからね。できれば重賞を勝ってダービーへ行きたいから」と意欲を燃やす。「皐月賞の疲れは見せていないし、使うたびに馬が良くなっている。距離も大丈夫だと思うから。何とか頑張ってほしい」と必勝態勢。自慢の末脚を存分に発揮して、新緑の大舞台へ意気揚々と向かいたい。(下村静史)
ダービー主役はアンライバルド
皐月賞を完勝したアンライバルド(栗・友道、牡)がダービーでは主役だ。新たなライバルは同舞台の青葉賞を勝ったアプレザンレーヴ(栗・池江郎、牡)。ロジユニヴァース(美・萩原、牡)やリーチザクラウン(栗・橋口、牡)の巻き返しも注目だ。昨年のダービー馬ディープスカイがステップレースに選んだNHKマイルCからは今年も多くの馬たちが参戦を表明。京都新聞杯やトライアル最終戦プリンシパルSからも新たな挑戦者の誕生が待たれる。
賞金900万円組は勝利が絶対条件
京都新聞杯に出走する賞金900万円の2勝馬は、2着では1100万円加算の2000万円でダービー出走に届かない可能性が大きく勝利が欲しい。デルフォイ(栗・長浜、牡)の坂本調教助手は「体形、性格からも長い距離は向いていると思う。ダービーは将来のためにもぜひ使いたいレース。ユタカが乗ってくれるんだから本当に楽しみ」と希望を膨らませる。アプレザンレーヴが青葉賞を快勝した栗東・池江泰郎厩舎は、ロードロックスター(牡)が京都新聞杯、ヤマニンウイスカー(牡)がプリンシパルSでダービー3頭出しに挑む。
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