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【霧プロのキーホース診断】エリザベス女王杯2023 姉に続くのは今年? それともまだ早い? サリエラの取捨を考える

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【霧プロのキーホース診断】エリザベス女王杯2023 姉に続くのは今年? それともまだ早い? サリエラの取捨を考える


ウマニティプロ予想家・が、今週の重賞出走馬の中から、特に的中への鍵を握りそうな1頭にフォーカス。指数・血統・調教を中心とした“予想的イマジネーション”で掘り下げていきます。



サリエラ
牝馬三冠を達成したリバティアイランドジャパンカップに回り、秋華賞で鬼脚を見せたマスクトディーヴァが休養に入ったことで、一気に混戦ムードが増した今年のエリザベス女王杯。先日の天皇賞(秋)におけるイクイノックスのような抜けた存在はおらず、勝つチャンスのある馬が何頭もいるという印象を受ける。
今回取り上げるサリエラも、そうした有力候補のうちの一頭。前走の新潟記念こそ敗れたものの、それでも(3.1.1.1)と、戦績はまだまだ綺麗。何かやってくれそうな雰囲気を醸し出すと同時に、絶妙に取捨に迷う人気帯に落ち着きそうだが、実戦でどんな走りを見せてくるのだろうか。いつも通りに各要素から掘り下げていきたい。

まず指数面だが、良血馬らしくその推移は優秀。
3戦目のローズSで早々に世代上位の力を見せると、続く白富士S、目黒記念共に重賞で勝ち負けできるレベルの数字を刻んでいる。
前走の新潟記念こそ大きく数字を落としているが、酷暑のために新潟競馬場で調整されるなど、体調維持が非常に難しかった上、中間は落鉄して坐石の症状が出るなど、完全に順調さを欠いていた。ここは度外視していいだろう。
2~4走前が真の姿だとすると、指数上は今回の人気馬と比べても大きな差はない。体調万全で更にパフォーマンスを上げてくるようであれば、勝ち負けまであっても不思議ないようにすら思える。

そして血統面も本馬を後押し。
高確率で重賞級の馬が出る超良質な母系の出身で、同じ血を持つ全姉のサラキアは2020年の当レースの2着馬。半兄のサリオスもG1の舞台で何度も好走しており、レースの格が上がっても気後れせず、自分の力はきっちりと出してくる一族なのだ。ここまでの出世速度から、本馬もまたG1の壁を突き抜けるだけの素質は秘めているように映るし、京都開催であること考えると父ディープインパクトの血が持つ切れ味も大きな武器。この舞台で好走できるだけの下地は十分にある。


ただ問題は、それが今回なのかということだ。
というのも、前述の全姉サラキアが当レースで連対を果たしたのは2回目の挑戦だった5歳時。最初の挑戦だった4歳時は6着に敗れており、当時の指数水準は現在の本馬と酷似しているのだ。
サラキアはこの後1年かけて体を増やしつつレースレベルを上げていくことになるのだが、本馬はデビューから今に至るまで馬体の変化がほとんど見られず、姉以上に小柄なまま。
この点を踏まえると、現時点においては”重賞級”のレベルから”更に上”のレベルには到達しておらず、姉同様に善戦止まりになる可能性も捨て切れない。能力以外の部分で敗れた新潟記念で直近のパフォーマンスレベルが隠れてしまった以上、今の能力がどの辺りのレベルなのかという点は、我々予想する側が個別に想像するしかないのが難しいところだ。
幸い、目黒記念で互角の勝負を演じたゼッフィーロヒートオンビートが先週のアルゼンチン共和国杯で好走しているだけに、彼らを物差し代わりにするのもアリかもしれない。

状態面に関しては、この厩舎らしく万全の体制。小柄な馬体ゆえの輸送負担を考慮してか、この中間は栗東に滞在して調整を施されており、1週前追い切りの動きもいつも通りの小気味良い走りで体調の良さが窺えた。順調度で言えば前走時とは比較にならないほど良く、年初〜春に近い状態でレースに臨めるのではないだろうか。
一つ上のジェラルディーナ、一つ下のブレイディヴェーグハーパー辺りが強敵となり、やや肩身が狭い4歳世代ではあるが、意地を見せることができるか注目したい。


(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

⇒気になる最終結論は、レース当日のプロ予想MAXでチェック!

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このニュースへのコメント

|2023年11月9日 18:06 ナイス! (0)

>9e03463022さん
コメントありがとうございます。励みになります!
そうなんですよね。キャリアが浅いせいではありますが、4歳で右回り未経験という馬は珍しいです。
調教の動きを見ていると、モタれたり外に張ったりする悪癖があるようには見えませんが、実戦でどうなるかですね。

>souther3さん
コメントありがとうございます。
やはり初の右回りを気にされている方は多いですね。
関西遠征を含め、遠征に対する経験値が高い厩舎ですから、状態面にはそう不安はないと思いますが、予想をする上で未知の要素があるというのはやはり悩ましいです。

souther3|2023年11月9日 11:04 ナイス! (0)

注目の1頭ではあるが、右回りコースは初。栗東に滞在し、陣営のやる気は伺えるがはたして。

9e03463022|2023年11月9日 8:54 ナイス! (0)

まず霧さんのコラムは好きです。
ただサリエラの左しか使ってない点がどうかと思います。

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