松山弘平騎手騎乗で1番人気の
サリオスが、直線で狭い馬の間を割って出て一昨年以来のVを飾った。タイム1分44秒1はコースレコード。
毎日王冠2勝は1988、89年の
オグリキャップ以来2頭目となった。堀調教師は歴代2位の同レース4勝目。これがJRA通算700勝のメモリアル勝利だった。半馬身差の2着が3番人気の
ジャスティンカフェ。3着は4番人気
ダノンザキッドだった。
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冷たい雨が降りしきる中、思い出の舞台で3年前の2歳マイル王が復活を遂げた。自慢の末脚を爆発させた
サリオスが、一昨年の当レース以来となる久々の勝利。しかも、勝ちタイムは従来の記録を15年ぶりに0秒1更新するコースレコードだ。
「ポジションを意識せず、馬のリズムを大事に運びました。直線を向いての手応えも十分でしたし、少し前が壁になっていくところがなかったのですが、開いてからはしっかりと抜け出してくれました。本当に強い競馬でした」
コンビ4戦目で待望のVをつかんだ松山騎手は穏やかな笑みを浮かべた。先行集団がハイペースで飛ばす中、後方でじっくりと待機。直線では追い出しを待たされる場面もあったが、先に抜け出した
ジャスティンカフェと
ダノンザキッドの間から稲妻のような伸び脚を発揮した。
「普通なら届かないところ。抜け出してくるときの脚にはびっくりしました。これだけインパクトのある勝ち方をしてくれてうれしいですね」
所有するシルクレーシングの米本昌史代表は愛馬の力走を手放しでたたえた。今後は国内や香港のGⅠがターゲットになる。「種牡馬として血を残すためにも(GⅠを)もう1つ取りたいと思っています」と米本代表。
朝日杯FS以来のビッグタイトルへ、5歳秋に最高のスタートを切った。(漆山貴禎)
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サリオス 父
ハーツクライ、母サロミナ、母の父ロミタス。栗毛の牡5歳。美浦・
堀宣行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲シルクレーシング。戦績14戦5勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金4億9217万7100円(うち海外3454万6100円)。重賞は2019年GⅢ
サウジアラビアRC、GI
朝日杯FS、20年GⅡ
毎日王冠に次いで4勝目。
毎日王冠は
堀宣行調教師が10年
アリゼオ、11年
ダークシャドウ、20年
サリオスに次いで4勝目。
松山弘平騎手は初勝利。馬名は「ローマ神話に登場する戦闘の踊りの発明者。母名より連想」。