第107回
京都記念(16日、京都11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・外2200メートル、1着本賞金6000万円=出走12頭)
横山典弘騎乗の6番人気
デスペラードが先行策から鮮やかに押し切り、重賞2勝目。差し馬のイメージを一変させる走りで、天皇賞・春(5月4日、京都、GI、芝3200メートル)へ弾みをつけた。タイム2分16秒0(稍重)。2着は2番人気
トーセンラーで、3着は4番人気
アンコイルド。単勝1・6倍と断然の1番人気に支持された
ジェンティルドンナは6着に敗れた。
これまでのイメージを180度変える、鮮やかな逃走劇だった。追い込んで実績を積んできた
デスペラードが、“ノリマジック”で
ジェンティルドンナ&
トーセンラーのGIホース2頭を撃破。金星だ。
「いつかこういうレースをしたいと思っていた。ゲートを出るときは、『(スムーズに)前に行ってくれ』の気持ち。気難しい馬が気分よく走ってくれた」
横山典騎手が、してやったりの表情で自身の20年連続JRA重賞制覇となるメモリアルVを喜んだ。
スタートから少し気合をつけてハナを奪った。巧みにペースをスローに落とし、1000メートル通過は1分3秒7。4コーナー手前で
トゥザグローリーに先頭を譲ったが、集中力は途切れない。ラスト200メートルで再び先頭に立つと、追い込んだ
トーセンラーを3/4馬身抑えてゴールを駆け抜けた。
今回で4度目のコンビ。初騎乗の
アルゼンチン共和国杯(6着)で「気分よく進めば最後まであきらめないタイプ」と感じた。
ステイヤーズS(1着)、
有馬記念(7着)で完全に手の内に入れ、かねて温めていた作戦を実行に移した。
「びっくりしましたね。新しい面を出してくれたのは大きいし、まだまだ奥がある感じがします」。鞍上の好騎乗に安達調教師が感心する。ダートで4勝したあと、一昨年秋から本格的に芝へ転戦し、2つめの重賞タイトルを奪取。今後は天皇賞・春に直行する予定だ。
「相手うんぬんよりも自分のペースで走れるかどうか。どんな競馬でもできることが分かったし、いいステップを踏めた」。関東の名手は、
デスペラードがGI候補に躍り出たことを高らかにアピールした。(佐藤将美)
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デスペラード 父
ネオユニヴァース、母マイネノエル、母の父トニービン。鹿毛の牡6歳。栗東・
安達昭夫厩舎所属。北海道新ひだか町・田中裕之氏の生産馬。馬主は市川義美氏。戦績30戦8勝。獲得賞金は2億6285万6000円。重賞は2013年GII
ステイヤーズSに次いで2勝目。
京都記念は
安達昭夫調教師が初勝利。
横山典弘騎手は10年
ブエナビスタに次いで2勝目。