3カ月ぶりのレースでも不安はない。3冠最終戦、菊花賞(21日、京都、GI、芝3000メートル)に出走するダービー馬ディープブリランテ(栗東・矢作芳人厩舎、牡3歳)が17日、滋賀県栗東トレーニングセンターで追い切りを行った。CWコースで鋭いフィニッシュを見せて態勢は万全。サンスポ調教評価も文句なしの「S」だ。春に比べ精神面で成長した姿に矢作芳人調教師(51)、岩田康誠騎手(38)は2冠制覇へ自信を深めた。
世代の頂点を極めた優駿に究極の仕上げが施された。ダービー馬ディープブリランテが曇り空の下をさっそうと駆け抜け、万全の仕上がりをアピール。2冠制覇へ視界はクッキリと開けた。
「悠々と走っていたし、素晴らしい感触だった。ぶっつけ本番だが、完璧な状態でのぞめる」
岩田康誠騎手が自信たっぷりの表情で言い放った。CWコースで僚馬ロゼッタストーン(牡3、500万下)を4秒ほど追いかけ、4コーナーで内に入ると一気に抜き去る。抜け出してからもクビを低くして前へ前へとストライドを伸ばし、ラスト1ハロンは12秒0でフィニッシュ。格下相手とはいえ、1秒7(約9馬身)もの大差先着を果たした。
「直線で追う、追わないはジョッキーの感性に任せた。併せ馬がチグハグになり自分のペースを保てるかがカギだったが、動き、状態もいい」
見届けた矢作芳人調教師も満面の笑みだ。5月27日の日本ダービーで頂点に立った後、英GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(7月21日、アスコット、芝2400メートル)に挑んだ。結果は8着だったが、世界を体感したことは大きな財産となった。
「ヨーロッパでいろいろなことを経験し、物おじをしない馬が以前よりどっしりした」とトレーナーはメンタル面の強化を実感し、「“キングジョージ”が終わった時点で自分の中では菊花賞と思っていた。この3カ月間はなんの狂いもなくきた」と続ける。青写真通りに乗り込みを消化。久々でも勝算はある。