“押しかけ留学”で関西馬の強さの秘密をキャッチ!? 後藤浩輝騎手(35)=美浦・フリーが来週までの2週間、競馬開催を除き栗東に滞在する。2冠牝馬ブエナビスタを筆頭に多くのオープン馬を管理する松田博資(ひろよし)厩舎の強さの秘訣を探ることが目的だ。すでに様々な発見をした。今週は土日とも中山で騎乗。日曜のAJCCは関西馬アドマイヤコマンド(橋田、牡5)と初コンビで今年の重賞初Vを狙う。
栗東留学は馬だけじゃない。関東所属の後藤浩輝騎手が、2週間の栗東滞在で、強い関西馬の秘密を探りに来た。しかもターゲットはブエナビスタなど多くのオープン馬を抱える松田博資厩舎。わずか2週間、しかも競馬は中山で騎乗という期間限定ながらも後藤騎手は「あれだけ強い馬が出るのはなぜか? いいところがあれば取り入れたい」と、貪欲にマツパク流を吸収するつもりだ。
松田博厩舎といえば長めの距離を併せ馬でゆっくり乗って、直線で伸ばす調教で有名。「今の主流は縦列スタートでコーナーで並びかける。でもこの厩舎は最初から併せ馬。これで我慢させるのは乗ってる人間もきついんだから、馬はもっときついでしょう」と極意の一端をかいま見たようだ。
今回の留学は後藤騎手の一方的なラブコールに松田博師が応えて実現。トレーナーは「ウチの調教はジョッキーを乗せないんやけど、『それは分かってる』っていうから、じゃあ、来たらエエとなった。でもせっかく来てくれてるんやから、ブエナビスタの調教でも乗ってもらおうか(笑)」と今週末に帰厩するブエナの調教騎乗の可能性を示唆した。
もちろん松田博厩舎だけでなく、今週はAJCCのアドマイヤコマンドの追い切りにも騎乗。坂路で3ハロン38秒2-12秒4(4ハロンエラー)を出し、約1年8カ月ぶりに復帰する重賞ウイナーの感触を確かめた。
「いい仕上がりです。もちろん長く休んでいたので、実戦でどうかですが、勝っておかしくない能力はある馬。久々の競馬場の雰囲気に飲まれなければ、結構やれると思う」
キャリア3戦目で青葉賞を勝った素質馬の復帰戦を楽しみにする後藤騎手。留学成果を手みやげに、重賞Vを成し遂げるか注目だ。(柴田章利)