豚ミンC
エース2号
暴君アッキー
とぅっけ
にしのけいご
エース1号
山口吉野
セイリュウ1号
世紀末覇者 券王
ゼット1号
奥野憲一
思えば、トウシンマカオの走りに衝撃を受けたのはもう2年も前のことだ。 それは、彼が3歳秋に走った京阪杯。 当時はアンフェアと言っても差し支えないレベルの内伸び馬場で、外枠の馬や道中外を回った馬は全く勝負にならない状態だったが、それをものともせずに外枠から、直線も外を通って豪快に差し切り勝ちを決めたのだ。 そのインパクトはあまりにも大きく、翌年の短距離路線はこの馬が中心になると確信したものだ。 だが、5歳になった今も彼はG1未勝利。重賞タイトルこそ積み上げているものの、ここ2年連続で出走している高松宮記念は何故か狙ったように悪天候。そして内枠。力を出せずに終わっている。 彼の戦績を見ると、高松宮記念だけでなく、内枠を引いたときや重馬場以上に悪化した時はコロリと負け、逆に外枠からストレスなく脚を溜めて運んだ時は鬼神の如き強さを見せている。 そして今回は、”外枠”であり”良馬場”であった。 先週の悪天候がありながら、馬場の内目を通った馬もそれほど止まる気配がなく、決して外枠が有利に働くようには映らなかった馬場傾向ではあったが、それでも彼の伸びは他馬と比べても全く違っていた。 この脚を繰り出せる馬が未だにG1で勝てないとは信じがたいが、もう”そういう馬”として扱うべきなのだろう。出走しているレースの格がどのようなものであれ、外枠で良馬場なら買い、内枠や重馬場なら疑い、といったスタイルで良いように思う。 この後は初となるスプリンターズS挑戦ということになるのだろうが、3月の同舞台・オーシャンSでは高レベルの圧勝。舞台適性に関しては全く心配がない。 だが、そのオーシャンSもしっかりと外枠を引いていただけに、本番でも相手関係云々以前にまず外枠を引けるのかどうか。栄冠を左右するのがクジ運というのはなんとも難儀なキャラだが、実際に結果を大きく左右しそうなだけに、枠順発表にはいつも以上に注目が集まりそうだ。 トウシンマカオの豪脚にこそ屈したが、2着のママコチャも外枠の不利を覆しての2着。 枠なりに外目を回る格好になり、序盤も力みを見せるなどしていたが、直線の伸びはさすがG1馬と思えるもの。 やや順調さを欠いた時期もあったが、ここまで立て直してきた陣営の手腕も素晴らしく、本番にはさらに一段上がった状態で出走してくるだろう。当然、連覇の期待も持てるはずだ。 3着のモズメイメイは近走で培った差し戦法と、有利な最内枠をしっかりと生かしての好走。 前の2頭は明らかにG1クラスのポテンシャルを持った馬で、基礎能力の面で少し差があった印象だが、すっかり短距離重賞の安定株として定着した感が強い。まだ4歳で成長の余地もありそうだし、ここからどう変わってくるか注目される。 一方、1番人気に推されていたピューロマジックは逃げ粘れず13着。 初速はここでも圧倒的だったが、その後の走りはやや力みが強いように感じたし、開催後半の馬場や左回り、長い直線、急坂など、前走から大きく変わった条件も堪えたのだと思われる。 それでも純粋なスピード能力は現役馬の中でも抜けたものがあるだけに、かつて似たタイプとして強さと脆さの両方を見せていたモズスーパーフレアやハクサンムーンといった個性派逃げ馬としての地位を確立していくように思う。条件さえ整えば、いつでも巻き返してくるはずだ。 北九州記念でピューロマジックと僅差だったヨシノイースターは、好位から運ぶもジリジリと退き8着。 以前からそうだったが、中京だとどうにも終いの伸びが一息になっている印象。 中京が合わないのか、左回りが合わないのかははっきりとしないが、現状では右回りのほうが高水準の走りができるように思う。 ピューロマジックと同じ逃げという脚質を武器にしているアサカラキングは、やはり初速の面で見劣った。 2番手からでも一旦は先頭を窺うなど見せ場は作れたが、やはり1400mを走っている時に比べると忙しそうな印象は拭えない。 この後も1200m戦に挑戦していくのか、1400m戦にこだわるか、もしくはマイル路線を視野に入れてくるのか、陣営の選択が注目される。