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第31回フラワーカップ(20日、中山11R、GIII、3歳牝馬オープン国際(特指)、別定、芝・内1800メートル、1着本賞金3500万円 =出走13頭)圧倒的1番人気に推された岩田康誠騎乗のファンディーナが、レース史上最大着差となる5馬身差をつけて重賞初制覇を飾った。タイム1分48秒7(良)。無傷の3連勝で牝馬クラシック戦線に名乗りを上げたが、桜花賞(4月9日、阪神、GI、芝1600メートル)に向かうかは未定。日本ダービーのクラシック登録も済ませており、今後の動向に注目が集まる。
遅れてきた大器が、裏路線からクラシックへの扉をこじ開けた。ファンディーナが単勝1・3倍の圧倒的な支持に応え、デビューから3連勝で重賞初制覇。全て牝馬で今年の重賞3勝目を飾った岩田騎手は、圧勝劇に笑みがはじけた。
「思った以上に走ってくれたし、期待通りに成長していると思います」
搭載エンジンが違う。スタートからスピードの違いを見せて楽に2番手につけると、軽く仕掛けられただけで4コーナーで先頭を奪い、直線では独壇場。鞍上が冷静にターフビジョンを見る余裕があり、ほとんど追われることなく後続をぶっちぎった。2着につけた5馬身差がレース史上最大なら、勝ちタイム1分48秒7も他場での代替開催を除けばレースレコードだ。
「完歩が違うので、無理に抑えることなく反応してくれました。レースに行ったらすごく言うことを聞いてくれます」とジョッキーはべた褒め。2着に9馬身差をつけた衝撃のデビュー戦からわずか57日。土つかずで重賞タイトルを手にし、堂々とクラシック戦線に名乗りを上げた。
フラワーCの優勝馬として単勝支持率60・2%は、2004年の桜花賞馬ダンスインザムードの65・1%に次ぎ、05年のオークス馬シーザリオの59・5%を上回った。のちにクラシックを制した名牝2頭に割って入る数字が、さらに大きな飛躍を予感させる。
高野調教師は「輸送は思ったよりスムーズだったし、テンションやカイ食いも問題なかった。それが一番の収穫です」と安堵(あんど)の表情。今後については「馬の状態を見てから」と明言を避けたが、早くから期待が高く、日本ダービー(5月28日)のクラシック登録も済ませてある。桜花賞を2勝しているジョッキーが「(距離の短縮にも延長にも)どっちでも対応できる」と太鼓判を押すように、どこに駒を進めても主役になることは間違いない。
タイ語で「良い夢を」と名付けられたファンディーナが夢見る先には、輝かしい飛躍のステージが待っている。 (藤沢三毅)
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