変則開催のため今年は小倉で行われる日曜メインの
プロキオンSの追い切りが3日、栗東トレセンで行われた。4連勝中の
ヤマニンウルスは栗東坂路で併入。力強い脚取りで態勢を整えた。
武豊騎手が「和製フライトラインになれるだけの馬」と評価する素質馬が、まずは重賞初Vを狙う。
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快進撃は止まらない。無傷の4連勝中の
ヤマニンウルスが、栗東坂路でパワフルな脚さばきを披露。初の重賞タイトル奪取へ、見守った斉藤崇調教師がうなずいた。
「思っていたよりも時計は出ていなかったですけど、我慢するところはしていました。最後もやる気をだしていました」
序盤は16秒7-14秒6とゆったりとしたラップで入ったが、ダイナミックなフットワークで徐々に加速。ラスト1ハロン12秒2と脚を伸ばし、
ヤマニンアルリフラ(未勝利)を追いかけて併入した。4ハロン57秒4と全体時計こそ目立たないが、「問題なく調整できました」と指揮官は仕上がりに納得の表情だ。
小倉のデビュー戦で、後にJBC2歳優駿を制したゴライコウに4秒3差とJRA平地最大着差をつける圧勝から始まり、続く1勝クラスも6馬身差V。ここまで向かうところ敵なしだ。1月の雅S快勝後は5月の
平安Sを予定していたが、裂蹄の影響を考慮してスライドした。それ以来の実戦も「しっかり治ってからは、何もトラブルもなく順調に来られました。この馬なりにゆっくり成長しています」と不安の色はない。
2戦で手綱を取った
武豊騎手は「楽しみですよ。まだ底を見せていないし、能力の高さを感じますね。すごく大物感を感じますし、和製フライトラインになれるだけの馬」と絶賛する。通算6戦6勝で合計着差は71馬身差。米BCクラシックを含むGⅠ4連勝で、2022年のエクリプス賞年度代表馬に輝いた名馬を引き合いに出すほど。「ここも突破するようなら、と思いますよね」と函館から小倉に参戦する名手の期待は大きい。
「ここまで負けなしですし、もっと先を見据えられる馬。ここを通過点として羽ばたいていってもらえたら」と斉藤崇調教師も力を込めた。
ダート界の新星誕生へ、
ジャスタウェイ産駒がさらに白星を積み重ねる。(北池良輔)